某定食屋。
「だんだん対談場所がしょぼくなっていないか?」
「まあ、我々の懐具合を省みれば妥当なところじゃないかね」
「つーか、ネタが切れたら対談もどきを書いとけ、みたいな感じがするんだけどどうなの?」
「うむ、そういう指摘のメールは確かに来たが、なーに知ったことか(笑)。」
「ま、俺には関係ないけどさ(笑)。さて、昨日第60期A級順位戦が終了したわけだけどまずは一言感想でも聞いておこうかね」
「うん、またーく盛り上がりかけたと思う。羽生五冠が序盤から戦線離脱した時点でダメだと思った。谷川先生も結局優勝戦線に絡むことなく終わってしまった。両雄のがんばりが足りなかったんじゃないかなあという気がしてしょうがないね、実際」
「谷川先生は頑張っていたと思うけど。少なくとも序盤までは三番手をキープしていたぞ」
「いやあ、普通の棋士なら凄い、と思うかもしれないけれどさ、谷川先生だとそんな成績じゃ物足りないわけよ、ワシとすれば。最低でも挑戦者一番手でいて欲しいからね」
「無理を言うな(笑)。おまえ、A級の層の厚さを考えて物をいえよ」
「確かに今回挑戦者になった森内八段も強いっちゃ強いんだけどさぁ、どーも華がなくて見ていて物足りないんだよな。まだ佐藤九段のほうが見るべきところがあるというか」
「森内八段ねえ。受けが強いんだっけ?」
「受けも強いし、戦略を立てるのが巧妙なのね。将棋も専門家が見ればそれなりにおもしろがれる将棋を指しているのだろうけど、シロウトが鑑賞するような将棋を指しているとはとても思えない」
「対する丸山名人の将棋もかなりマニアックな、つまり相掛かり、横歩取り、85飛戦法がメイン。二人が戦うとかなりジミーな将棋になるんだろうなあ」
「最高峰(笑)の決戦とはいえ少々役不足な感じだと思うが、こればっかりはしょうがない。藤井よ、どうして踏ん張ってくれなかったんだ(笑)」
「佐藤は最終戦森下相手にしっかり勝ちきったから挑戦者決定戦があったよな。しかし佐藤はこの重要な最終局にゴキゲン中飛車から穴グマにしていたね。」
「ふふふ、とうとう中飛車の時代が来たのかもしれない(笑)」
「な、わきゃねーだろ。たまたまだよ。藤井も穴グマにしていたね。超変則的だったけど、あれって組あがった時点で作戦負けだったような」
「降級を逃れたんだから、気が抜けたんじゃないのかな。あーあ」
「というわけで前回の予想は見事に外れましたな。」
「いやいや、一応候補には挙げておるぞよ(笑)」
「本サイトの予想では本命谷川先生だったから、これは潔く負けを認めなよ」
「うう」
「しかーし、降級予想はピッタシだったけどね。2回戦まで行っていたとはいえ」
「あれは無難なところだったからなあ。それでもさあ、最終戦まで降級者が決まっていなかったんだから結構いい演出だったねえ」
「最終局は羽生対先崎戦だったようです。引導を渡したときの羽生五冠の表情はどうだったんだろう、気になるな。」
「ま、先崎にしてみれば、一握りの人間にしか入ることを許されないA級に二年間も在籍できただけでよしとしておかないといけなんだろうなあ。島みたいに一年で帰ってくることはちょっと考えにくいけれど捲土重来を期待したい」
「キビシーだろうそれは。B1には深浦が上がってくるし、久保、阿部といった実力者もいるからなあ」
「A級は相当おもしろそうだね。郷田が帰ってくるし、藤井、三浦も今年のような不覚をとるとは考えにくい。そんでもって谷川羽生の両雄に佐藤、丸山、森内のどっちかがいるし。青野森下とシブイ棋士もいるしね。島はA級復帰で燃え尽きてなければいいけど」
「あれ、名人戦の予想はしないの?」
「正直、期待していないのよね。どっちが名人位を取っても興味ないからなあ。別にどうでもいいんじゃないかしら」
「じゃあ、次は61期A級順位戦予想だな」
「だな。しっかしホント盛り上がらん名人戦だよなあ、ぶつぶつ」