スポーツにあやかる

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 戦後における娯楽市場での将棋のシェアはかなりのものがあった。昭和35年の国民白書によれば将棋を嗜む人口は1000万人、当時では人口の半数が楽しむものだったわけです(数値超適当)。当時人気のあったものに相撲という国技もありますね。これは娯楽の種類が少なかった為に起こった現象だと思われます。楽しむ人口が多ければ多いほど木村、升田、大山といったスケールの大きい将棋指しも生まれるようです。

 ときは流れて現代。娯楽の種類は数え切れないほどになり、将棋の地位も昔の面影すらありません。本の少し前に羽生の七冠フィーバーがありましたが、一時のブームで終わってしまいました。将棋の没落は娯楽が増えたから、という理由は確かにもっともです。どうすればヒーローの生まれる人気の娯楽の地位を築くことができるでしょうか。過去にはもう戻れないのですから、ここは一つ、現在人気のある娯楽からその秘密を探ることにしましょう。

 人気に翳りが出たとはいえ、いまだ国民への関心が高い野球。そしてプロ化が進んでまがいなりにも日本に根付いたサッカー。これらの運営をパクれば意外といけるかもしれません。

  1. 地元意識を刺激する

    地元意識に働きかけて地方での人気を獲得しファンを増やす。例えば九州福岡に支部を置き、加藤、森下、深浦など地元出身者をそこから通わせる。出身地すべてとはいかないだろうが、九州、関西、東海、関東、東北、北海道の六ブロックぐらいに分けて支部を置けばよろしい。移動が大変だが、なに、野球やサッカーに比べて試合も少ないしええやん。

  2. 団体競技的な要素を盛り込む

    団体を単位にすることで、応援しがいを増長させる。上記のブロック毎に所属する棋士の成績の平均値を計算し、地方ごとで順位をつける。これは今でもやれそうな感じだね。ただ単に出身地別に計算すればいいだけだから。こうすれば日頃陽の目をみない棋士も目立つわけで、頑張らざるを得なくなるよ、きっと。あ、こいつが順位下げているんだ、と思われたくないだろうから。

  3. 全世界に拠点を作る

    世界を相手にイチローや中田に代表されるヒーローは世界に羽ばたいていったわけで。それは世界にいろんな野球、サッカーのプレーできる場所があるからだ。というわけで将棋も世界中にリーグを作ればいいんじゃないか。そして常に最高レベルのプレー(=棋譜)を世界に配信。ああ、そんなハイレベルで戦いたいなあと思う世界の強豪が日本の順位戦に参戦するようになる、と。とくにブラジル、アメリカ、とか日系人がいる国では将棋のレベルも高いと聞いているし、世界大会も開いているわけだから、これ、なんとか世界各地にリーグができないかな。囲碁では韓国、中国にそんな組織あるんでしょ? 柔道なんて全世界に普及がするんでいるし。プレーヤーが増えれば羽生みたいな棋士ごろごろ出てくると思うんだよなあ。もちろん、具体的な普及手段は別途考えないといけませんがね。

  4. 情報紙の充実

    スポーツ紙って何種類もあるじゃん。将棋情報誌ももっと増えないかなあと思うわけよね。これも将棋に関連するすべての規模が大きくなれば自然と増えるはず。

  5. ファンサービス

    速報なんて野球、サッカーでは当たり前。中継なんて常識よ。スカパーでは全試合見ることができるんだから、順位戦もゼーンブ中継して見せんかい! そんでもって解説もせんかい! 駄目な将棋は駄目っていわんかい!

 特に海外に拠点を作るのはおもしろいんじゃないかなあ。これ以上ジリ貧にならないうちに手を打たないと組織自体消滅しかねないから頼みますよ、ホント。


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初版公開:2002年4月6日 最終更新日:2002年4月13日
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