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ベストバウトを決めよう

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 なんつーの。今話題は森内名人死守とか、瀬川氏のプロ入り問題とか、将棋ソフト「激指」が、アマ竜王戦全国大会でベスト16に進出、ってのが旬なワケですが、そんなの他の有力ブログさんが触れいているでしょうから華麗にスルー(瀬川問題は以前言及してますけど)。

 暇つぶしに将棋世界7月号付録「新手ポカ妙手選 2004年版」を読んでいるんですが、このシリーズはなにげに素晴らしいのですね。なにが素晴らしいかというと、棋士の生々しい姿が棋譜を通して伝わってくるからなんですよ。名手は名手の感動があり、ポカにはポカの切なさがあるわけで。そして新手の驚き。

 書き手の勝又五段はホントいい仕事をしてくれています。解説の節々に貴重なコメントや当時の様子なんかが入っていてその手が如何に凄かったかというのがびんびん伝わってきます。オススメはNO.31の谷川先生の寄せに対する控え室の反応具合、及び中川行方の激闘の様子を感じさせるNO.39ですね。

 場面を切り取ってしまわざるをえない構成になっているのが本当に惜しい。それぞれの手が生まれる背景、それは例えば対局者の心理状態、因縁、将棋戦法の流行具合、体調、食事その他複数の要素が入り組み絡み合いですが、それらが伝わるような文章を読みたいわけ。これ切実よ。

 そのときそのときの棋戦をただタイムリーに伝えるだけではダメで。凡局も当然あるわけだからさ。だから1年に1度ベストバウトを発掘して表彰し観戦記なり自戦記なりを作るべきだと思う。これは棋士にとっても名誉なはず。自分の棋譜が称揚されるのは気分がいいでしょうし、もっと将棋に打ち込むはずです。っていうか何故にいままでベストバウトを表彰する仕組みがなかったのか理解に苦しむ。方向性を見失っている升田賞とか作るぐらいなら将棋大賞に絶対組み込むべきです。その時代時代の最高の棋譜を掲げることによって、より将棋についての理解や啓蒙ができるはずなんですが。

 確かどこかのサイトでそんなことやっていたような気が。


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初版公開:2005年6月26日 最終更新:2005年7月3日
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