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「プロ試験」を将棋連盟はどうとらえているか

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 米長会長のあいさつを読み、嗚呼、ようやく時代がのっそりと動き出した、という印象を持った。もっと根本的に変更しろ、とか思うけどね。瀬川氏の成績を鑑みればいまさらフリークラスぢゃないだろうし、という感覚のズレとか感じる。C2に編入したほうがフィットするに決まっていると思うけど、いろんな人の顔を立てたのでしょう。ま、今までのような好成績を挙げれば、C2に昇級できますから時間の問題とは思いますがね。

 あと、この他にプロ編入希望者の門戸を常に開いておくように、奨励会ルート以外のプロへの道筋を作り上げる、これも緊度の高い案件ですが、今回は棚上げされた模様。

4、中井広恵女流六段  久保八段・中井女流六段はセットであり、両者の実力を合わせてであれば、四 段クラス2名に相当すると判断した。  彼女は男性プロ相手に相当数勝っており、対局の内容によっては来年の総会に 計られる「プロ編入のための委員会」(仮称)で討議が考えられる。瀬川晶司氏のプロ入りについて

 なんてさらりと書かれているが、これが超重要事項なんだと思うがどうか。つかその委員会をまず作って、それから瀬川氏のプロ入り問題を検討するのが筋ってもんでしょ。これじゃ今回は特例扱いじゃないか。

 ただ、中井の順位戦参加検討は評価しようじゃないか。女流から男流?への移籍ルールもいっしょに作ってしまえばいいと思う(さらにいえば男子女子の垣根はさっさと取り払うべきだと思うが)。しかしなんで来年なんだ? さっさと決めて実施しろよと。こういうことは早ければ早いほど棋界活性に繋がるはずだよ。何故1年も必要なのかが不明です。来年て。

 ところで。

 この試験方式(6名と戦って3勝で合格)なんですが、これ、yomoyomoさんが 好むいわゆる因縁モノがちょこちょこあって面白く楽しめそうです。その見所ともの足りなさをちょっと書いてみましょう。

 まず、3勝した時点で終了というのはもったいない。3勝でフリークラス、4勝でC2編入、5勝でC1編入、6勝でB2編入と対戦相手全員1階級ずつ下げる、っていうルールを付け加えるとよりエキサイティングになると思うがどうよ。そうすれば瀬川氏のモチベーションもそうとうなものになるんじゃないか。さらにいえば、相手の連盟側にだって懸賞つけてあげなくちゃ。三段、女流、フリークラスのやつは勝てばC2へ編入とかあるとより刺激的かと。カタ懸賞はつまらんよ。

 ま、いいけど。

 それでは対局の見所を整理しよう。

 第1局。三段リーグから佐藤天彦三段。「瀬川晶司氏とは全く相反する勝負師観、人生観を持つ。」かどうかはあまり彼の性格が報道されていない以上知る由もありませんが、編入試験を煙たがる三段を起用したのは面白いね(今は三段だけれど、プロになれない三段もいるわけだし、反対してどうするんだ、という気が非常にするけれど。明日はわが身、かもよ)。ただ起用するならもっとぎりぎりな三段だとよりよかったのでは。年齢制限オーバーの水津三段とかね。これはドラマが生まれるよ(笑)。

 第2局。神吉六段。関西、お笑い担当のフリークラス棋士。だと思って舐めているとヤラれる危険がある。谷川浩司九段も彼の振り穴は避けるぐらいだからツボに入るとやばい。公開対局が大好き(見られること自体好きみたい)というのも大きいしね。キャラが対照的なのが面白いかと。

 第3局。ご存知テレビ早指し棋戦で瀬川氏に苦杯を舐めたA級久保八段。当然リベンジに燃えるでしょう。現役A級がアマに負けるのはもう許されないですから。瀬川氏的には1度勝っているし、気負わなければいけるんちゃいますか。

 第4局。HPの説明がよくわからない(久保八段とセットで四段2人に相当するというくだりです)ですが、ここで大熱戦を演じてぜひ中井さんも順位戦に参加して欲しい。夫の人(フリークラス植山六段)より強いのは明白なんですから。

 で、ここまで1勝できていればなんとかなりそう。後は四段といっても瀬川氏の戦歴のほうが上ですから。

 第5局。謎。熊坂学四段。四段昇級後連続降級点をゲットし最速3年でフリークラスへ移籍したスーパールーキーなんですが(同期はZONE狂いかつ育成会幹事に就任した大平四段)。ここまでたどり着けば、つまり1勝さえすればボーナスステージが待っているということです。てか「二人の直接対局も考えられる。」という表記に期待したい。つまりもしかすると中原、米長どちらかが対局するかも、と書いているわけだ。そっちが面白いと思うけれど、名人経験者がアマに負けられないから、流石に対局しないでしょうね。でも見たい。というわけで熊坂君は当て馬です。

 第6局。謎。もうあれだ、会長相手してやってよ、と思うがどうか。逆に長岡裕也四段は最終判定者にふさわしい実力の持ち主なのか? そのあたりがよくわからんので、彼の情報をもっとリークしてくれ>日本将棋連盟。

 てなわけで、瀬川氏の人生を賭けてみんなで見世物にしよう!という今回の企画。なんて残酷で、なんて面白いのだろう。かなり「歪んで」いますね、みんな。


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初版公開:2005年6月19日 最終更新:2005年6月26日
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