先後について

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 現代のプロ将棋では先手番が有利という認識が強い。先手番だと先攻できる、好きな戦形に誘導できるといった点があるからだ。8五飛戦法がこんなに流行ったりするのも、後手番でイニシアティブを握ることができたからだと指摘できるだろうし、後手番だけ飛車を振る棋士が増えているのも居飛車に比べて反撃力がある戦法を選択したいという現われだと思う。こういう状況を考えると、タイトル戦での振り駒や、順位戦の先後はプロ棋士にとってどうしても気になるところだろう。タイトル戦最終局で後手番を引いた日にゃ、将棋の神様を恨みたくなるってもの。運命だ、って言われたって納得できるものでもない。順位戦だって、コンピューターできちんとランダムに先後を振り分けていると日本将棋連盟の手合い係はいうかもしれないけれど、いくらでも手心加えることできそうですし、ランダムだからって公平か、なんていう議論もありそう。まあ順位戦はそれ以前に、総当りじゃないB2以下のクラスでの対戦相手決めもかなり不公平な気がするし。昇級候補と降級候補、どっちに当たるかで星勘定って変わってきますしね。

 ま、そんなわけで先後問題を解決するのなら、先後を持って二局づつ戦えばいいのです。連勝すれば真の勝ちとする。これなら文句はないでしょう。ただし対局数や時間が単純に倍以上に増えるというマイナスがありますけれども。現状のように振り駒や運に身を任せるリスクを背負うか、対局数を増やしてヘロヘロになっても公平さを追求するか。強ければ勝つんだから先後どっちでもいいじゃん、と低棋力者の私は思うんですけれどね。


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初版公開:2002年7月20日 最終更新日:2002年7月27日
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