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奨励会原理主義者の愚かさについて

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 Yahoo!にリンクが貼られて当然のクオリティを持つもずさんの「勝手にトピックス」。多くの人にさらされた結果、「勝手に将棋トピックス - 将棋のプロとは」に頭の悪いコメントがついてしまっている。閲覧者が増えると雑音も大きくなるようですな。

 よいサンプルなのでをいじってみますかね。ああ、この戯言に文句があるなら、私のほうにメールなりはてなダイアリのほうにコメントして下さい。ご自身の主張はご自分のサイトやブログでやっていただけるとありがたいのですけれど、それはできないようですし。どうして人の家でワーワーいうかな。

 では早速。

# 違う! 『将棋ファンは、「強い」将棋を見たいのであって、「三段リーグを勝ち抜いた」将棋を見たいのではないといということ これは筆者の私見であり、プロとは人生そのもの。奨励会を勝ち抜いたもののみが価値がある。今日ここに瀬川氏のアンチファンの出来上がりだ。』

 さぶい。なんだこれ。「違う!」氏は、「これは筆者の私見」といったあと、自分の私見を書き込み、自己陶酔コメントで締めている。

 そもそも「奨励会を勝ち抜いたもののみに価値がある」かね。

 プロ棋士への門が狭い最大の理由はなにか。棋士が増えると一人当たりの配当が少なくなる。それだけ。三段リーグが復活したのもその一環なわけで。つまりですな、棋士たちの保身のための制度なわけです、現在の奨励会は。そんな背景を考えてみれば、いかに歪な制度であるか分かろうというもの。

 先人保身のために整備されているシステムを前に、有望な若手が次々と奨励会を去っていく現実。着実に将棋界は痩せています。あなたのいう価値観で突き進んだ結果、将棋界がダメになっているんじゃないですかね。奨励会はプロ選抜を行っている、なんていう将棋界の保身コメントを素直を信じるのは如何なものでしょう。

 「プロとは人生そのもの」っていうのは意味わからん。は? 何が言いたいの?

 続きまして。

# “違う”に大賛成 『筆者は何様か。自分の考えを将棋ファンの代表といわないでいただきたい。筆者も当然わかっているように三段リーグの過酷さはこの6番勝負など問題にならない。この勝負で本当に瀬川氏が勝たなくてはならないには、久保八段と佐藤三段のはずだ。失礼だが後の4人は勝っても?だ。佐藤三段に勝たなくては奨励会の諸君が浮かばれない。それだけではない、今まで志半ばに退会して言った諸君もだ。私もここに“反”瀬川ファンを宣言する。』

 つか、「“違う”に大賛成」氏こそ何様か。ファンの大筋は「強い将棋」がみたいに決まってんじゃん。あなたみたいなひねたファンのほうが少ないんじゃねーの。大抵は三段リーグなんて気にしてないと思うし。

 「三段リーグの過酷さはこの6番勝負など問題にならない」というが、問題になります。6番勝負の意義がわかっていないのでしょうから書きますけれど、まず第1に公開試験という注目度の高さに対するプレッシャー。6番勝負は瀬川さんにとって一回こっきりなのに対して、三段リーグは三段になった年齢にもよるが何回チャレンジできると思っているんだ? それに6番勝負の前に残した対プロ勝率7割を考えても見よ。それを考えたら。三段リーグとは比較になりません。第2に日本将棋連盟に対する義理。ダメもとだったのに試験をしてくれた日本将棋連盟に報いるために、勝たなくてはならない(盛り上げなくてはならない)という責務。すでに個人の域を超えたものを背負った対戦なわけですね。これをあなた、過酷といわずなんといえばいいのか。

 「この勝負で本当に瀬川氏が勝たなくてはならないには、久保八段と佐藤三段のはずだ。失礼だが後の4人は勝っても?だ。」というが、何故そんなことがいえるのか。久保八段には一回勝ってるじゃん。何をいまさら? 佐藤天彦三段に負けても四段以上に勝っているんだから問題ないし。だって、日本将棋連盟がそうルールを決めたじゃんよ。

 「奨励会の諸氏が浮かばれない」わけねーだろ。こういうプロ試験が成功し、制度化することができれば現在の奨励会員のプラスこそなれ、マイナスになんかなんねーっつーの。

 「志半ばに退会して言った諸君」にもチャンスが生まれる可能性ができたわけだよ、嬉しいことじゃないのかね。将棋世界2005年12月号の記事にもおおむね賛成だと書いてあるしさ。

「私もここに“反”瀬川ファンを宣言する。」勝手にしろ。

# ほぼ?同意見ですが… 『プロになるなら,年齢制限という壁の中でプロを目指している三段リーグの棋士達を納得させるため,佐藤三段を軽く破って,雪辱に燃える久保八段にも勝って,堂々とプロになって欲しかった。 これからプロの世界で「強い」将棋を見せて,是非,アンチ瀬川を瀬川ファンに変えてくれることを期待しています。』

 三段リーグの棋士の卵達はプロ試験に概ね賛成のようですよ。

「佐藤三段を軽く破って,雪辱に燃える久保八段にも勝って,堂々とプロになって欲しかった」というけれど、プロ棋士トップでも二人相手に連勝は厳しいはず。無茶言うな。

# どっちでもいいけど 『失礼だが後の4人は勝っても?なんて言われる様な人がプロなんかやってるから、アマにポロポロ負けるんじゃないのか? 瀬川氏のプロ編入については世間一般の人々は「強かったら良いんじゃないの?」という意見がほとんどだと思う。 将棋であろうがなかろうがプロは優勝劣敗の世界。アマの瀬川氏がプロに勝ちまくるからプロ側が無視できなくなっただけであって、最初からプロが負けなきゃこんな話は話題にもならん。 プロの方々には一層の精進をお願いしたいと思う。』

 現状の組織だと、三段リーグを勝ち残った強い棋士だけがプロになっている(残っている)はずなので、日本将棋連盟の建前上おっしゃるとおりではある。しかし現実なのだからしょうがないですな。奨励会をクリアしてもアマチュアに負けるんですから。正直いって、強くなるのに奨励会を経なくてもいいぐらい、棋力向上の仕組みが出来つつあるといえると思います。いわく、ネット将棋、いわく、プロアマの交流、いわく、プロ将棋の棋譜の流通とか。

 プロは精進しなくてはならないと思うが、この流れはもう戻らないと思う。

# 将棋の世界って 『かび臭い世界だねぇ。 年齢制限や変なハードル作ってることに疑問を持とうよ。 パワハラストーカー生み出してる世界だよ?』

 おっしゃるとおりです。変なハードル多すぎです。将棋界マニアにはそれがわからんのです。ええ。たぶん、ドMなんでしょう。あ、違うか。制度にいじめられている人を眺めるのが好きってことだから。

# 鬼 『年齢制限っていつまでも将棋の世界にはまって 人生のやり直しが効かない年齢まで挑戦させないって親心なんじゃ? 29歳ならまだやり直せる年齢だしね 瀬川氏の場合は社会人として生活しながらも諦めなかった その点で素晴らしく またプロになっても良いと認めるに相応しい存在なのではないかな? 奨励会から脱落した人たちもきちんと働き尚且つ精進を続ければプロになれると希望を持ったと思うよ』

 その親心が余計なお世話だったわけよ。結局、目の出ない人を早めに切ることで可能性を切り捨てることになったわけで。生き方は本人に任せるべきです。

 希望を持つことができたのはそうでしょう。この編入(この名称もさっさと取り払ったほうがいいけれど)もさっさと制度化するべきでしょうね。

# 反対派は視野が狭い 『プロはもっと間口を広くしたほうがいい。 これから10年経てば大概の棋士はコンピューターに負ける事態が来る、そうなった時に指方向性を持った人間を純粋培養しているような今の将棋界では廃れてしまう。 今の若手は正直言ってアキバ系と区別がつかない、これはどうかと思う。フリークラスをもっと広げて毎年3,4人はもっと別の方法で入会できるようなシステムにしたほうがいいのではないか? 同時に現3段リーグは過酷過ぎるもっと簡単にしてもよい、方針ではプロになった以上生活を安定させるべきだ という考えのようだが、過保護すきないか?今の世の中 そんなに過保護な体質の団体は珍しい。間口を広げる代 わりに自分で営業かける裁量権を与えるようにしたらい いのではないか?』

 おっしゃるとおりです。将棋界は黙して聞くべきでしょう。勘違いしているファンもな。

 ま、なんつーかね。歪んだ愛情も愛情かといえばそうではないぞ、と。いとしさのあまり周りが見えてないなんてカッコ悪いって。いつまで引きこもってんだ。

 ──とまあこんな感じで釣られてみました。あー、オレも暇だな。


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初版公開:2005年11月7日 最終更新:2005年12月28日
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