週刊将棋2004年11月17日号より「編集長から」引用。
順位戦は毎日新聞のサイトでインターネットによる有料速報が行われている。A級だけでなく、どのクラスでも行われており、われわれも取材のたびに担当者と顔を合わせるのだが、その熱意には頭が下がる思いだ。
棋譜だけでなく、控室の風景や応援掲示板といったコーナーもある。棋譜はそのままコピーすれば東大将棋や激指といった将棋ソフトで検討することもできる。あれで月500円(税込み)は安い。
安いか? 安いというからには、そのサービスに価値があることが前提となるわけで。その価値は顧客が判断するわけで。ところで、編集長が安いと感じるであろう顧客というのはどういった層を想定しているのですかね。
まあ、週刊将棋で書いているわけだから当然ですけれど、こんな将棋新聞を好んで買うようなマニアにとっては安い、ということだと思うんですが。普通のファン、つまりルールを知っているレベルから将棋倶楽部24で低段タブにいるような大多数のファンが順位戦の将棋に興味を持ったからといってわざわざニフティのIDを取得して登録するなんて考えづらいよ。棋譜を提供されてもいちいち並べませんって、はっきりいって。そういう楽しみを知るまでのレベルに達していないもの。つーか棋譜並べを楽しめるようなレベルまでファンを育てることがあなたたちの使命なんじゃないっスか?
応援掲示板ねえ。だったらそれこそ各棋士のファンが運営している掲示板に書き込んだほうが楽しいと思うんですけれどね。控え室の風景っていっても、あれだ、リアルタイムに書いたところで面白いものが提供できるかは謎ですよ。情報を収集整理してこそ面白いものが提供できると思うんだけれどどうですか。読んだことないんでわからんですけれど。
安いと感じてもらえるようなファンを作る努力、初心者でも楽しめるようなコンテンツ作りをまずしましょうね。提供してるのに、どうして分かってくれないんだ(入会してくれなんだ)と書いてしまう前にね。
Webなんか将棋に興味を持つ入り口として最適だと思うんですよ。棋書を買ったりするより安価だしいつでも参照できるし。だからこそ、無料にしてだね、層を増やそうとしないといかんと思うんだけれど。有料化して目先のお金拾ってどうするんだろう。ほんと何考えているんだか、わからんよ。
あと、「その熱意には頭が下がる思いだ。」みたいに同族で褒め合うのはいかがなものか。金取っておいて頑張らないんじゃあ、わざわざお金出してサービスを受けている人の立場はどうなるのよ。何故に当たり前のことを褒めるのか。