A級順位戦座談会 その10


某チェーン定食屋。

「さて。A級順位戦座談会と称しているものの、今期はすでに興味を持てない最悪の展開ですのでさらっと流していきたいんですが(笑)」

「えーっと久保と島のどちらかが落ちるわけですか。まあ興味がないといってしまえばそれまでですね(笑)」

「華のある将棋という意味では久保の方がランクが上だと思いますし、現在の棋力からいっても久保の方が上でしょうから、久保残留というのがまあ当然の結果でしょう」

「対戦の組み合わせもそうなってんだよな。確か久保の相手は谷川先生なんだけれど確か久保が大きく勝ち越しているんだったよね。反対に島の相手は苦手にしている森内竜王。というか今の森内は手がつけられない状態だから島が勝てる要素はほぼないね。全勝挑戦もかかっているから、いくら島研の同士だったとはいえ手心を加えることもないでしょうし」

「というわけで、実力、組み合わせからいっても島降級が現実的だな。大方のファンも納得の展開だと思うね」

「順位戦最終日の取り組みとしてはA級は他のクラスの露払いといった塩梅だねえ」

「次はB1ですか。昇級降級残り一枠ずつですが」

「なんと高橋九段が自力を持っているという展開です。こんな展開だれも予想できなかったんじゃないか(笑)」

「前期が酷かっただけにねえ。順位が悪いから負けるとアウトか。シビアだな」

「次に北浜七段、阿部七段が続くと。なんかみんな順位悪いね。えっと高橋と阿部は直接対決か。だとするとここで阿部が踏ん張り、克つ、北浜が負けると春が来るのか」

「北浜の相手は関西の井上だから、井上が頑張れば阿部の援護射撃にはなるね。それと郷田にも昇級チャンスがあるのか」

「そそ。さっきの挙げた条件は郷田が負けたら、の話しで。郷田が勝てば上記の条件で郷田が上がることになる」

「気持ちとしては、高橋か郷田に上がって貰いたいけれど…、案外阿部が切符を手にするかも知れないね」

「郷田はずーっとアシストばかりしていたんで、そろそろ女神様が同情するかもね(笑)」

「降級争いは中村と神谷の直接対決。首切り決戦であります」

「いやあ、回りも気を遣うでしょうね」

「B2はねえ、期待の行方が前回の勝負に負けちゃって。それでも昇級候補一番手ではあるんだけれども」

「あとは堀口か。まあ鉄板でしょうね。対戦相手をみても…って堀口の相手は天才土佐かあ」

「あの人は将棋の出来の差が大きいから未知数ではあるね。逆にここで堀口にとっては試金石となるのでしょう」

「C1は、もう、絶対屋敷。いい加減に上がってよー」

「そうね、あとは薄いけれど渡辺も昇級枠に入っているから、ひょっとすると上がれるかも」

「C2はあれだ、山崎が何とか上がってくれたらそれでいい。あと宮田は上がってしかるべき才能だから彼も上がって欲しい。あとはもういいや」

「ふふふ。実は今月最大の楽しみは、三段リーグの昇級枠の残り一つを誰が奪うか、なんだよ」

「というと」

「あの、佐藤天彦(16)と大器との噂がある中村亮介(18)が名乗りを上げているんだよ」

「ほほうそれはいいですな」

「それに引き替えA級の面白くないことといったら、ねえ」

「できればA級順位戦のテレビ報道はC1にして頂きたいところですよ。まったくもう」


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初版公開:2004年2月28日 最終更新:2004年3月6日
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