無題、あるいは最近の将棋界の出来事
ネタがないことはないんだけれど、いづれも話として膨らませるには微妙な題材なので、今回はここ数ヶ月(2003年7月〜9月)の将棋についての出来事をつらつら書いてみます。
- 少し前に発表がありましたが、日刊ゲンダイ主催のオールスター勝ち抜き戦が終了したそうで。不景気の波は将棋界の財源を少しずつ着実に侵食している模様。パイが減っておこぼれに預かれる人もいなくなるんしょうな。ご愁傷様。
- 女流棋士の結婚相次ぐ。高橋和、千葉涼子(旧姓碓井)、中倉姉、と若手(?)ばかりです。勝負師が結婚する場合、成績がどん底の時に行うのが吉だそうで。というのも、結婚すると本格的に生活リズムが変わりますから、勝負のアヤが変わってくるというのですね。好調時の場合は勝負のアヤが変わってしまって具合が悪いというわけです。結婚前後の勝率統計がどこかにあるとは思うのですが、実際どうなのでしょうね。
- 谷川王位、防衛成功。現在最強の棋士である羽生四冠を4勝1敗で退けたというのは、何気に見逃しがちですが大したものだと思いますねえ。勝負の内容も、珍しい形が多く全体として実験シリーズとでもいうべき戦いでした。終盤の密度はここ数年みたこともないような濃さでしたし。後手番が4勝1敗という成績だったのも、不思議な気がしますが、これは戦形自体まだ洗練されていないためかな、と思います。
- 棋書良書ラッシュ。最近発売された深浦康市『最前線物語』(題名はどうかと思うのですが…。だってすぐ風化するじゃん)が売れているようですね。八重洲ブックセンター売上ランキング第4位というのは前評判も手伝ってのことなのでしょうか。深浦といえば前回出版した『これが最前線だ!』の出来が良かっただけに信頼されている書き手、という認識があったに違いないですね。その他、MYCOM将棋文庫も定期的に名著のリリースが続いていますし、人気戦法ゴキゲン中飛車の解説書二冊目、その名も『新ゴキゲン中飛車戦法』(題名をなんとかしろってば……)も数が出ているようです。全体として、MYCOM関連の書籍の元気のよさに引っ張られて、他の出版社も刺激を受けているのかなという気がします。僕としては、定跡書以外に読み物がもっとでるといいなと思うのですが。
- 県大会を勝ち抜き、高校竜王戦の代表になった女子高生笠井さんの活躍。招待選手じゃないって言うんですから立派なものです(なんだよ、招待って)。決勝トーナメントの手前、リーグ戦で敗退してしまったものの、まだ一年生というのですから、将来性も十分。どんどん活躍して、男どもに喝を入れてやってくださいな。ちょっと調べてみると、この方、女流アマとしてかなり知られた実力者なんですってね。なるほど。
今回はこんなところでーす。
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初版公開:2003年9月20日 最終更新:2003年10月9日
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