三段リーグの使い方


 野球で言えば二軍、相撲で言うところの幕下の情報というものは、ツウにとって楽しいものだ。将棋界でいえば三段リーグの将棋指し見習い達が相当しよう。今のところ公開されているネタとすれば星取り表がほとんどで、彼らの棋譜や人となりが紹介されることはごくまれだ(将棋界全体の情報量もごくわずかなものだが)。これ、勿体なくないですかね。三段陣は棋力的に一番冴えている時期だし、三段リーグ特有の、いうなればA級降級の醍醐味を遥かに上回る泥と汗と涙にまみれた張り詰めた勝負が行われているのだから、それを題材にしてファンに提供しないというのは一種の怠慢なんじゃないでしょうか。プロになるか、奨励会を去るかの一番などは残酷なだけに観客は興奮するだろう。持ち時間も順位戦のような6時間ではなく90分という、アマチュアに近い条件であるし共感できる部分も多いと思う。

 彼らの棋譜を入手できるようにしてはくれないだろうか>日本将棋連盟。将来将棋界をしょって立つ人間が実際どのような戦い方をしているのか知りたいのだよ。できれば解説なんかがあればベストだが贅沢は言うまい。大体、奨励会員の棋譜というものは、著作権があったとしても新聞社の顔色をうかがわなくてよいはずなんだから、すぐにでも公開できるだろうし。週刊将棋で月一ぐらいで奨励会員の将棋を紹介しているが、棋譜が一つか二つだなんて味気ないことこの上ない。全部公開したって罰は当たらないと思う。

 注目されることによって気合いも入るだろうし、将棋界の紹介にもなるだろう。知られざる世界が公開され、世間の目を浴びる機会が増えれば、注目度も変わってくると思うがどうか。


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初版公開:2003年2月15日 最終更新:2003年2月22日
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