某居酒屋。
「森内独走ですか」
「一人全勝ですからねー。佐藤が踏ん張ってくれればよかったんだよなあ」
「なにげに谷川先生、二敗しているし……」
「残り全勝しても森内が直接対決以外で負けないと挑戦できないなあ」
「森内の相手は、谷川、森下、藤井。これって相性はどうなの?」
「んー、よくわからん(笑)。わからんが全敗は考えずらいね」
「すると最悪でもプレーオフに進出するのかな」
「仮に森内が挑戦者になるとしても、名人奪取は難しいのかなあ。丸山名人とは相性悪いんだって?」
「両者、激辛さでは棋界で一二を争っているみたいだけど、いまんとこ丸山名人に分があるようだ」
「ふーむ。戦形は前名人戦みたく、四間飛車 VS 持久戦か相掛かりか85飛戦法か」
「そこらへんが相場だろうなあ。いや、まあ、森内が名人挑戦者になったらの話だから、ここまでにしよう。次の候補は佐藤か。王将戦挑戦も決めて調子は上向きみたいよ。森内との直接対決がないのが痛いけど、いいとこまで絡んできそうだね」
「ワシとしては丸山に名人を明け渡した責任をとるために、挑戦者になってもらいたいね」
「谷川先生は(笑)」
「いや、谷川先生が届かなかったら、の話ね(笑)」
「つうわけで三番手が我らが谷川先生。羽生に負けたのが激痛だなー」
「順位が一位でもA級はプレーオフがあるからさらに厳しいよ。昨年の反動がモロに出ているみたい。残念だけども」
「さて、じゃあ今度は降級争いのほうも見てみるか」
「先崎がかなりヤバイか」
「ほとんど助からないだろうなあ。三浦戦で勝てれば光が見えるかも」
「あとは青野、加藤、三浦か。青野は順位が大きいねえ」
「すぐには結果が決まりそうにないし、来年最終日まで楽しませてもらいましょ」