終盤力を鍛えるには

double crown

 雌雄を決する終盤戦でどうしても競り負けてしまう、なんてことありませんか。どんなに作戦勝ちしようが、辛抱して形勢を持ち直したりしようが、つまるところトドメでしくじってはなんにもなりません。ストレスが募るばかりです。そんな症状にお悩みの方は、一度終盤力を鍛えた方がいいと思われます。

 一般に終盤力は序中盤に比べて鍛えやすい分野です。ほぼ指し手が限定されているためです。ここではまず、どんな手順で考えていけばいいかということを考えてみましょう。

  1. 相手玉が詰むかどうか
  2. 自玉が詰むかどうか
  3. 相手玉に必至がかかるかどうか
  4. 自玉に必至がかかるかどうか

 秒読みに追われている対局者の頭の中はおおよそこんな順序でぐるぐると巡っているんじゃないかと思うんですよね。まず相手玉が詰みそうだと判断したら、詰めようとします。で、詰まない(よくあることですが)となると今度は自玉の安全を考えますよね。自玉に即詰めがないかどうかのチェックをして詰みそうだったら受ける。これが詰めろ逃れの詰めろや必至になると最高なんだけど、ま、世の中そう上手くはいかない。詰まなければ必至をかけておき、それさえかからない場合は自玉に必至がかからないこと確認する。普通はそんな余裕ないけどね。とまあ、ざっと60秒のうちにこんなに状況判断をしていかなくちゃならんのだから、大変なことではある。

 けれどもどういった方針で手を決めていけばよいかわかんない序盤戦や、捻り合いの中盤戦に比べるとすっきりしているでしょう。詰むかどうか、必至がかかるかどうかは今だとたくさんの書籍があるからそれを繰り返して解くしかないでしょうね。ここまでは誰でも気づいて努力するでしょう。ほんとはね、鍛えておくべきところは中盤から終盤へ持ち込む呼吸だと僕は思うんですよね。ここに個性が出るというか。手の流れとでもいうのかな。終盤を優勢にむかえるためにその下準備をきちんとしておいてこそ、終盤力が発揮されると思うんですよ。その呼吸って奴は実戦を通して学ぶか、有段者の棋譜を並べるしかないと僕は思うのであります。


TOP将棋戯言前の戯言次の戯言

初版公開:2001年08月25日 最終更新日:2001年09月01日
(C) double crown 2000,2001
double crown(E-mail:doublecrown.under@gmail.com)
http://doublecrown.under.jp/
http://doublecrown.under.jp/shogi/0045.html