棋譜再生アプレット戦争


 将棋関連の HP は数あれど、棋譜再生ページがあるところは少ない。自戦記観戦記ページもそうたいしてない。それなのに棋譜再生アプレットはいくつか発表されていたりする。

 僕がよく目にする棋譜再生アプレットは以下の二つです。

 僕が将棋HPを漁っている最初の頃、使用されている再生アプレットは棋譜2HTMLばかり、ほとんどこれ一色だったように思います。それくらい普及してた。デファクトスタンダードって感じですね。ブラウザ戦争で言うと初期 Netscape といったところでしょうか。

 再生アプレットの出現は将棋サイトを作っている方々にとって衝撃的だったでしょう。 Web 上で単純に棋譜をアップしただけではどうしても指し手のニュアンスや意図を伝えるのが難しいですからね。アップされた棋譜をいちいち将棋盤で並べたり、棋譜再生ソフト(柿木さんの奴ね)を立ち上げて棋譜をコピーペーストし読み込ませて鑑賞するのも手間がかかりますし、かといって将棋本のように図を並べて解説するっていうのもスマートじゃないし作るのも大変(もちろんそういった表現が向いている場合もあります。局面の比較をするような場合とか)。高段者だったら頭に盤を浮かべて楽しむことができるかもしれませんが、初心者や将棋に興味を持とうとしている駆け出しの方たちには難しいでしょう。それをブラウザ上で将棋棋譜再生ソフトのように手軽に棋譜を見ることができるようになったのは表現者(おおげさ)にとって大きな福音でした。

 出た当初は目新しさも手伝って将棋関連の HP にどんどん普及したようですが、そのうち不便なところも出てきました。棋譜2HTMLは表示に画面をいっぱいにして使うので Web サーヒンしながら(複数画面を開きながら)表示するのには向いていないのね。読み込みも遅かったように思えますがこれは多分個人の環境に左右されるんでしょう。個人的に背景の畳模様がちょっと……という感じです。まあ画像ファイルを入れ替えればよいだけの話ですが。あと html ファイルを作るのがやっかい。僕の場合 kif ファイルがうまく変換できなくてうんざりしていました。

 そんな不満を受けて(ホントか?)登場したのが勝田将棋盤だったわけです。というか僕はそう受け取っているんですが(笑)。表示画面も棋譜2HTMLの約半分、操作ボタンも単純化され html ファイルの変換も簡単な夢のアプレットです(僕的に)。 見た目がシンプルというのがまず良かった。その次に html ファイルへの変換がスムースにいったので精神衛生的に良かった(笑)。うまく動かなかったりするとストレスがたまるからね〜。それでもまったく不満がないわけではないんです。自動再生ボタンがないので最後まで自分で再生ボタンをクリックする必要があります。将棋ってだいたい平均120手ぐらいが相場だと思うんですけどつまり120クリックしないと最後まで見ることができない。人差し指に負担がかかるのね(笑)。もう一つ、操作ボタンの幅がほとんどなくボタンも小さいのでクリック中に誤ってとなりのボタンを押してしまい、一気に最終局面を表示してしまうことがあります。このとき先ほど見ていたところまでまたクリックで戻らないといけないので面倒です。とはいえ相対的に使い勝手がよかったのか、瞬く間に広がって行きました。ブラウザ戦争における I.E. といった感じ。鞍替え組が多いというのも似ています。

 両方とも kif 形式のファイルを一度変換ツールにかませて再生用のデータを作成し html に張り付ける作業が必要です。その作業、ちょっとパソコンをいじり慣れていないと厳しいかもしれません。タグぐらいは理解していないと無理でしょう。

 ところが。その変換作業をなくし、 kif ファイルをそのまま再生してしまうアプレットが登場しました。作成者があの柿木さんです。本家の登場ですね。現在はまだβ版(2000/01/06現在)のようですが画面の美しさ、デザインは最後発だけあって一番でしょう。自動再生ボタンもついていますし。だけど画面いっぱいに表示する仕様と動作が遅いのが残念です。小中大と表示形式を選択できるようになっていればいいのになあ。ブラウザ界の OPERA でしょうか。真価が発揮されるのはもう少し先って事で。

 というわけで水面下ではこんな戦い(?)が展開されているのでした。なんてマイナーなんでしょうか(笑)。ブラウザみたいに使用率を調べることができればおもしろいのですが、その方法が僕にはよくわからない(検索エンジンでアプレット名を検索してヒットした数を数えればよいのかな?)。わかる方がいらっしゃったら是非御教授ください。又、「あのアプレットが使いやすい」とか「他にも棋譜再生アプレットあるよ」といった情報もいただけるとありがたいです。ところで囲碁、チェスにもこんな仕組みってあるんですかねえ?


追記

 棋譜再生アプレットの種類はその後も増えているようで、Rocky-and-Hopperさんのページではアプレットの比較検討がされています。ほんと、いろいろあるんですねえ。で、フリーで提供していただいているのに恐縮ですけれども、アプレット製作者に一言。 Mac での動作確認もしといてくださいな。動かないものが多すぎです。もう一つ、表示画面の大きさを選択できるようにできませんか。将棋倶楽部24のような感じで。

 再生アプレットですがチェス版も存在しています。詳しくはhudaさんのページを参照ください。綺麗なものですね。(01/08/24)


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初版公開:2001年01月06日 最終更新:2002年11月14日
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