ネット将棋の感想戦


 僕は旧 iMac ユーザーでして Mac 関連のメールマガジンをとっているのですが、その中の巻頭コラムに「インターネット将棋をやるためにテレホーダイに加入したけれど将棋をやらなくなったので解約しました」という文章がありました。インターネット将棋をやめた理由として、感想戦をやらないのが不満なんだそうです。さらに「強くなるためには感想戦が必要だが誰もやろうとしない。さらに自分が負けたのに相手がすぐ去るのは納得がいかない」(うろ覚え)ということでした。いいたいことはわかりますけれど、ネット将棋にそんなことを求められてもそりゃ無理な話だと僕は思います。

 ネット将棋と将棋盤をはさんで指す将棋とでは環境が違うので、同じような効果を期待する事に問題がある、ということが分かっていないんじゃないでしょうか。少なくとも今の技術では感想戦を実現するのは無理だと思います。と、いうのはネット上では思ったことをすぐに伝えることができないからです。

 すぐに、というのがポイントでしょうね。面と向かって将棋をしている場合、言葉や駒を動かすことで即座に伝えることが可能です。意見を交換するのにハードルはありません。もっとも自分の言いたいことを伝える技術があることが前提ですが。

 ネットで意志を伝える場合、キーを打ち込まなくてはなりません。はい、これが意志を伝えるのに障壁になります。世の中にはいろんな人がいて、ブラインドタッチが得意な人や人差し指一本、気合いで打ち込む人もいるでしょう。こんな二人が感想戦をやろうと思ったら、時間が掛かってしょうがないです。つまり意志の疎通がスムースにいかないのです。また盤上の駒を動かしながら感想戦は行いますが、そんな技術は今のところないですし。

 このようにネット将棋と通常の将棋では環境が似て非なります。新しい環境では新しいルールで楽しむのがいいんじゃないでしょうか。ネット将棋にはネット将棋の利点がありますし(喫煙問題、対局者不足の解消など) T.P.O にあった将棋を指せばいいんだと思います。僕は別に感想戦が無くても楽しんでいますよ。


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初版公開:2000年12月23日 最終更新:2002年11月4日
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