古典棋譜鑑賞


 現在、正に進行中の将棋を解説するというサービス、というか催しはあるけれど、過去の名勝負を鑑賞できる機会は少ないのである。将棋雑誌で時折回顧されることがあるけれど、単発的なものであるし、雑誌を買うぐらいのファンよりももっとライトなファンへのアピールが欲しい。そういった意味で、棋譜鑑賞会なんぞを企画してはどうか。内容は、昔の棋譜を並べながら、指し手の解説を行うと非常に単純なもの。当然昔の棋譜は将棋史での節目のものを厳選し、最新の注釈をつけ、当時の状況も合わせて解説するわけであるよ。解説者はまず石田九段を希望したい。他の候補としては、内藤、米長、先崎ぐらいか。イメージとしては講談のようにね。

 昔の棋譜とはすなわち、古典なんですよ。古典を学ばないのは将棋を文化としてみた場合、片手落ちですし、将棋史を振り返りまとめるという行為は、ファンの将棋に対する興味の別の側面を引き出す格好の材料だといえます。名人位の箱根越えのエピソードを知れば、名人位の重さがファンにも深く届くかもしれません。木村升田のハエゴミ問答を知れば、当時の意地っ張りな人種であった将棋指しの気心が知れるかもしれない。こういったエピソードをファンに遍く基本知識として知ってもらえれば、しかもそれが楽しく耳に入れば、自然とファンは増えると思うんです。

 単独でやれとはいいません、例えばタイトル戦解説の余裕のある時間にやるとか、将棋イベントの一つのコーナーとしてやるとか、少しずつでいいんです、こういう取り組みは。っつーか、普及の一つの形としてすでにあってもいいと思うんですけれどねえ、こういう将棋の楽しみ方の提供も。


TOP将棋戯言前の戯言次の戯言
初版公開:2003年5月10日 最終更新:2003年5月17日
Copyright © double crown
double crown(E-mail:doublecrown.under@gmail.com)
http://doublecrown.under.jp/
http://doublecrown.under.jp/shogi/0118.html