ごまかせ!

double crown

 勝負に勝ち抜くためのテクニックを一つ二つ語ってみようかな。一つは指し方、もう一つは心構えとでもいうべきことです(ってそんなに大層なものじゃない)。

 局面が不利になった場合どう指すべきだろうか。基本的に、棋勢を逆転させるには相手がミスをするのを待つしかない。それまで離されないようについていくことが前提である。チャンスがあるまで息を殺してじっとしていよう。するとチャンスが訪れる(場合がある)。その瞬間、局面を混乱させる手を指すのである。具体的には、(1)駒をぶつけて当たっている箇所を増やす。(2)玉頭に手をつける。こうすることによって、相手の思考に揺さぶりをかけるのである。敵陣を睨んでおけばよかった相手は、自陣についても考慮しなくてはならない。これは大きな負担になる。特に、勝ちを急いでいる相手には効果的だ。大局観がめまぐるしく変化するのについてこれなくなってしまう。ただ、自分も混乱してくるので、自分の力に自身がないと指し切れないかもしれない。

 もう一つは、将棋の流れを支配することである。そしてその流れに相手を巻き込み、思考リズムを狂わすのである。例えば、不利になったらノータイムで指すという手段がある。これはまあ、何を指しても不利なんだから考えてもしょうがない、という事情もあるのだけれど。有利な相手は、「ヤケになっているな」と察して、自分の有利を実感し、鼻歌交じりに着手、ホイホイお付き合いして考えずに指してくる場合がある。そこが狙い目。手拍子が出やすくなる。有利なときは特に出やすく、出てしまうとショックが尾を引いて対局中に立ち直ることはまず無理である。ちなみにこの指し方も、相手が本当に強豪なら間違えることなく指してくるだろうし、そもそも敗勢の相手のリズムに乗るなんてことはなく自分のリズムで指すであろうから、相手を良く見極めて使ってください。

 以上、ごまかしテクニックでした。中級者ならなんとなく感覚でわかるでしょう? 局面が混乱しても惑わずに、自分のリズムで指すことが出来る人は有段者に違いありませんから、次のレベルへステップアップして下さい。でも結構使えますよ。


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初版公開:2001年05月19日 最終更新日:2001年05月26日
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