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冒険者みづつの栄光

メルマガからの抜粋です。

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様々な冒険に身を投じ、秘境での逸話を語り続ける永遠の冒険者「みづつ」。その行動力に敬意を表し、ここにその足跡を遺すものである。冒険について質問、感想、ファンレターなどは midutu_c@muc.biglobe.ne.jp まで。(〜2002年12月分)

※番号と掲載時期が逆になっているので、時系列に読みたい場合は一番最後から遡るように読んでくだされ。

  1. 雑談その3
  2. このゲームブックへの思い出 「ベースボール・ゲーム」
  3. このゲームブックへの思い出 「宇宙大戦争2045 第十惑星バルカンの侵略」
  4. あの人は今 「樋口明雄」
  5. ゲームブックバグ情報 「妖魔館の謎」
  6. 雑談その2
  7. このゲームブックへの思い出 「ハーメルンのバイオリン弾き」
  8. 初めて買った(遊んだ)ゲームブック
  9. ゲームブックバグ情報
  10. ゲームブックに似たもの その2
  11. 雑談
  12. ゲームブックに似たもの 「ルディンガルドの光」
  13. 記憶に残るゲームブック 「双葉ルパンシリーズ」
  14. このゲームブックへの思い出 「トルネコの大冒険 不思議のダンジョン第3巻」
  15. このゲームブックへの思い出 「ウィザードリィII ル・ケブレスの魔窟」
  16. このゲームブックへの思い出 「トルネコの大冒険 不思議のダンジョン第2巻」
  17. このゲームブックへの思い出 「トルネコの大冒険 不思議のダンジョン」
  18. このゲームブックへの思い出 「闇の黄金郷(エルドラード)」
  19. GW特別企画第二弾!!こんなゲームブッカーはいやだ!!
  20. GW特別企画第一弾!!こんなゲームブックはいやだ!!
  21. このゲームブックへの思い出 「ストリートファイターIIゲームブック(1)」
  22. 僕のゲームブック論
  23. 記憶に残るゲームブック 「サイレントメビウス「月の廻廊」」
  24. このゲームブックへの思い出 「暗黒城の領主」
  25. 恐怖の本屋シリーズその2 「予想された勘違い」
  26. 恐怖の本屋シリーズその1 「場違いな棚」
○雑談その3

雑談その3。その2は引越し直前に書いたんだっけ。

 皆さんにお聞きしたいのですが、プレイ中はどういう姿勢ですか?私は椅子に腰掛
けないと集中できません。

 以前は、正座してやってたんですが、なんか気が散ってぜんぜん進まないんですね
これが。絶対途中でテレビを見てしまったり、他の本を読んでしまったりしてなんか
ぜんぜんだめ。さらにゲームブックのみならず、普通の小説や雑誌なんかを読んでて
も、やっぱり途中で飽きてしまうんですわ。

 これじゃいイカン! というわけで、最近ではパソコンデスクを使っています。
キーボードを奥に押し込んで、メモ用のレポート用紙をおいて遊ぶんですよ。
 あ、私は「フリーハンドでメモ」派です。その辺の紙に数値や情報のみ書いて、自
分の、自分による、自分のための冒険シートを作るのです。遊んだ後は、ただのごみ
になってしまうのが難点です。もちろんここ「ゲーマニ」にレポートを送るまでは、
一応残しますが、アイテムなんかはものすごい省略形、つまり頭文字とか、絵(!)
とかでメモしますので、時間がたつと忘れます。確実に。エニックス文庫なんかは、
シートの記述方式が面倒くさいので大変ですよ。全く。 
 ……やっぱりゲームシステムは単純な方が好みです。
 
 どうでもいいけど、あの「MSXマガジン」が復活するんですから、われらが
「ウォーロック」も復活しないですかね。それとも私の知らないところで、ひっそり
同人誌になって復活してるんでしょうか。もし、テンポ良くゲームブックの新作が出
る様な状態になったら、季刊で復活! てなことになるかも。……って、社会思想社
はもうないんだった……。剣社通信雑誌化希望!! むりか!?

 なお、12月6日0時16分現在、創土社のサイトにつながりません。なんで?

 ところで、前号の

>みづつさんの冒険譚をまとめたページを開設しないといけないですね。

 ですが、これは予想外でした。投稿数多いからなあ。今この文章読んでる人も、
どんどん送ってダブルクラウンさんに嬉しい悲鳴を上げさせよう!!
   
○このゲームブックへの思い出

今回も前回に引き続き、イラスト系ゲームブック。

ベースボール・ゲーム 西東社
作 本間 正夫
画 白石 雅昭

 この作品は、前回紹介したのと同じ、1ページ1パラグラフのゲームブックです。
全部で162パラグラフ。

 ゲームの進め方もほぼ同じですが、タイトルの通り「野球」のシミュレーションの
ため、ルールや定石を知っているかどうかで、ある程度流れが決まってきます。まあ
そんなにややこしくは無いですが、「インフィールドフライ」ぐらいは知っておいた
方がいいでしょう。それぐらいの知識は必要です。
 最もそれだけだと、知識のみで全く運の要素が入ってきません。そこでこの作品で
は、「シフトカード」と言うものを使っています。
 このカードは、あちこちに四角い窓が開いてある厚紙といったもので、使うように
指示されていれば、そのページに当てて窓から見える字や絵を見て、結果を判断する
ものです。たとえば、「OUT」の文字がいくつ見えるか、といった感じで使います
(分かりづらい説明ですみません……)。
 もし無くなっても、巻末に作り方の解説があるので安心です。

 ゲームそのものは「野球」らしく一回表、裏、二回表、裏、という順に進めて行き
ますが、パラグラフの大部分は自軍の攻撃に費やされています。まあ、守備に手間暇
かけても退屈なわけでして、この点は当然でしょう。
 得点は、選択肢やシフトカードを使った「運」、さらには迷路などで正しいものを
選ぶことによって入ります。ただ、一回から九回まで常に得点のチャンスがあり、も
し、すべて点を取って行くとものすごい大量点になります。
 で、前半で大差がつくとつまらないのじゃないか、とお思いの方もおられるでしょ
うが、心配ありません。敵の攻撃(つまり自軍の守備)パラグラフの中には、「恐怖
のコールド負け迷路」という必須パラグラフが有りまして、その名の通りうかうかす
ると文字通りコールド負けです。強引な展開です。作者の苦しみが見えます。


 ま、たいしたものじゃないですが、暇つぶしにもってこいです。ちなみに私のスコ
アは16−7でした。もちろん勝ちです。

 最後に一つ、表紙について。
 野球ゲームの写真が使われていますが、説明によると「パナソフト MSX BA
SEBALL II」らしいです。MSX……。時代を感じさせます。
   
○このゲームブックへの思い出

今回はちょっと変わったゲームブック。

宇宙大戦争2045 第十惑星バルカンの侵略 新星出版社
作 森村 遊狩
絵 柴田 公彦

 ゲームブックの中には文章でなく、漫画で話を進めるタイプの物がありました。こ
の作品はその中間、すべてのページにイラストがあるものです。1ページ1パラグラ
フで全部でわずか148パラグラフ(笑)。

 タイトルの通り、宇宙を舞台にしたSF物で、第十惑星バルカンからの侵略者と戦
う物語です。
 SFらしく現実の科学技術をある程度下地にしているんですが、1985年に書か
れたと言うことを考慮しても、「なんか違う」と言う感は否めません。大体、バルカ
ンがどこにあるのかさえはっきり書いてないし、地球人と混血できる先住民が存在す
る、と言うくだりは、まるでスタートレックの様(笑)。

 イラストは何と言うか、はっきり言えば下手。しかも、ゲーム開始前の説明ページ
で、「宇宙レーザー砲」とかいう兵器のイラストを、パラボラアンテナから謎の怪光
線が出ているように書いています。どうも「レーザー」と「レーダー」をごっちゃに
している様子。

 ゲームシステムは一つしかないポイントを加算・減算してゆくもので、ゼロになっ
たらゲームオーバーになりますが、選択肢には一切関係ありません。もちろんより高
い点数の方が「優れた」選択肢を選んでいるわけですが。
 選択は自分の頭と運だけです。

 とはいえ、結構やり応えはあります。というのも、双葉文庫などにありがちな「選
んだけど、HPが減っただけで結局他の選択肢を選んだのと同じ」というのは、少な
く、全く違うルートを進まされることもあるのです。もちろん、そのうち本線に戻り
ますが。ちなみに私の一回目のプレイも、途中のイベントをどんどんカットして、
ハッピーエンドになりました。めちゃくちゃ得点は低かったですが。

 とはいえ、このゲームブック、二、三回もやればほとんどすべての選択肢を憶えら
れるでしょう。まあ、SF好きな人はどうですか? という感じです。

 最後に一つ、パラグラフ55での選択肢。

 56へ行きたい人は→56へ
  4へ行きたい人は→ 4へ
  
 ……おい。
   
○あの人は今

 今回は懐かしい人の足跡を追ってみました。

 FILE.1 樋口明雄
     デビュー作:「ルパン三世/戦場はフリーウエイ」(小説)
     ゲームブックでは、ルパン三世シリーズ4「黄金のデッドチェイス」
     共に双葉文庫

 デビュー作が小説なんですが、つまり元々小説家志望だったわけです。
 で、いま樋口氏がどうなっているかと言うと……。

 http://www1.odn.ne.jp/~scale/higuchi.htm

 おお、活躍してるじゃないか。
 この人のゲームブックはギャグやパロディが多いので有名ですが、あれは小説執筆
の依頼がこないことの苛立ちだったのでしょうか? きっとああやってフラストレ
ーションを発散してたんですね(笑)。

 典型的なブームを利用して成功したタイプの人ですが、もちろん文才がないとこう
は行きません。ただ、私としてはゲームブックを書いた経験がいい方に作用している
と思います。思いたい。
 しかし、そう考えると前回紹介した「妖魔館の謎」のあとがきにあった、「我々の
野心的な試みとして、小説家のプロデュース、ということを考えています」というス
タジオ・ハードの竹中氏の願いは完全にかなったと言えるかもしれません。
 いや実際、樋口氏の作品読みたくなってきたし……。

 で、買って来ました。1992年に双葉社から出た小説版ゼルダの伝説。古本で。
あとがきにこんなこと書いてました。

 (前略)
 なんだか最近はそれ(みづつ注:自分で書いた「ゼルダ」「ドラクエ」の様なパロ
 ディ・ゲームブック)がゲームブックの主流になったみたいですけど、当時は『火
 吹き山の何とか』だの言ったクソマジメなものばかりだったから、随分と珍しい作
 品だったわけです。造反有利だ、わははのは。
 (後略)

 ……あう〜、なんと言っていいのやら。ゲームブックはかなり売れたみたいです。

 あと、うちの実家から電車で一駅の所出身。
   
○ゲームブックバグ情報

みづつは帰ってきました。

仕事が忙しかった、という言い訳はさておきバグ情報です。

妖魔館の謎 光文社文庫
原作 菊地秀行
文 塩田信之 飯野文彦 
スタジオ・ハード

 正誤表

 パラグラフ     誤       正
  74     →106    →103
 102     →400    →230
 104     →248    → 23
 108     → 75    →133
 176     →276    → 40
 204     →212    →248
 269     →381    →318
 311     →359    →159
 347     →248    →264
 366     →287    →168

 ……私のは初版なんですがね、ちょっと多すぎですね。一応正誤表はついてるんで
すけど。
 
 それより気になるのは制作メンバー。実は塩田氏はこれがデビュー作。当時17歳
(!!)でゲームブックを作るとは。そりゃまあいろいろ助けてもらっただろうけど
ね。あと飯野氏の名前があるのにもびっくり。初めて聞いたって人はYahoo!あたりで
検索してみよう。
 いや〜ゲームブックって本当にいろんな人が関わっているんですね。本人は忘れた
いかもしれんけど。
 
 最後にひとつ。
 登場人物紹介のページの黒梛(くろなぎ)フジの項。
  
  黒梛家の実権を握っている妖怪ばばあ。
  とにかく変なばばあ。
  つまり、人間の中で、いちばん妖魔に近いもの。
  妖魔そのものというくらいのばばあ。

 ……もうちょっとましな書き方はなかったのか。
   
○雑談その2

みづつさん、お引越し記念雑談(意味不明)。

 毎週のように古本屋めぐりをしている私ですが、先日面白いものを見つけました。
ゲームブックとは直接関係が無いんですが、1989年にJICC出版局から出てた
、「小説ウルティマ クエスト・オブ・アバタール」です。
 実は著者は井上尚美さん。しかも、写真つき!! 
 「多数のゲームブック、コンピュータゲームのシナリオ等を手がけ、本書を皮切り
に小説の著作もスタート。最愛の猫2匹と別居し、連日ハードな仕事をこなしている
。」と紹介されています。
 ちなみに、小説の出来は今ひとつ(汗)。

 同じ店で発見したのが、双葉の「魔神英雄伝ワタル」と「ワタル外伝」。
 なんと両方とも買った当時の帯付き。「ワタル」のほうには
        「1500万部突破記念
         RPGゲームブックフェア
         ゲームボーイが当たる
         トリプル5000名大プレゼント」
 なんて事が書かれています。「外伝」の方は作品の説明とシリーズ最新刊の紹介。
「ワタル」の方は初版じゃありませんでした。もし初版だったらならばまた別の文句
だったでしょうね。

 というわけで、冒頭でお伝えしたと通り、私は近々引っ越すので、8月中の投稿は
これがおそらく最後でしょう。皆さんお元気で。……ってなんか代表者みたいな口ぶ
りだな。調子に乗りすぎだぞ私。
   
○このゲームブックへの思い出

初めてのガンガンゲームブックです! 割と辛い(汗)。

ハーメルンのバイオリン弾き エニックス文庫
企画 エニックス
構成・文 冨永 浩史
編集 スタジオDNA
原作・監修 渡辺 道明

 ふう……。原作の漫画を知らないとつらいっす、これ。主人公のハーメルは超特大
バイオリンを奏でて敵を倒すのですが、どの曲を使えばいいか、ほとんどカンです。
原作を知っている人ならひょっとして、わかるのかもしれませんが、私にはちっとも
わかりません。いやぁ、「曲」は実際に存在するやつなんですけどね(たとえば、
ショスタコーヴィチの「レニングラード」など)、それを知っていたところで、どう
にもならないんですよ。

 しかも全くランダムの要素なし。つまり判断出来ない選択肢を運を天に任せて選ぶ
わけです。あ、戦闘以外ではまともな選択肢ですよ。一応、自分が勇者ということを
頭に入れて行動すればいいみたいですね。

 ああ、いい忘れていましたがこの作品、三人称なんですよ。「君」や「私」とかで
はなく、登場人物の名前を「天の声」が直接呼ぶような感じです。角川系のギャグ小
説っぽいといったら分かりますか? 作者が登場人物にツッコミ入れたりするやつ。
おかげで視点がうろうろあっち行ったり、こっち来たりもう……。

 イラストは原作の漫画を書いている方なんですが、いかにも漫画家が書いたらしく
、台詞や効果音がふんだんにつけられています。

 というわけで、ハッキリ言ってだめ。これ。漫画の方はかなり巻数が出ているらし
いんですけどね、人気あるからといって安易に考えないでいただきたい。
 いや、出してくれるだけでも大したもんですけどね、やっぱだめ。

 選択肢もなんか少ないし……。
   
○初めて買った(遊んだ)ゲームブック

今回は、今月のテーマにそって私がはじめて買ったゲームブックですぅ。

 実は、私は社会思想社や東京創元社の様な「本格派」はあまりやったことは無く、
やったのはほとんどすべて、双葉社から出版されたものです。初めて買ってプレイし
たのもそうでした。

スーパーマリオブラザーズ マリオを救え! 双葉文庫

 もうかなり忘却の彼方のなってるんですけどね、結構変わった作りになっていたよ
うな気がします。今思い出してみると……。

 1.文章が横書き
 2.イラストの代わりにファミコン版スーパーマリオの画面写真が!
 3.豪華二本立て

 1は双葉文庫の以外では見たこと無いような気がするんですが、どうでしょう?
私が知らないだけかもしれないですが、珍しいのには間違いないです。なんで横書き
だったんだろ?
 2は一応普通のイラストも一応あったんですが、大部分が画面写真でした。と、
いっても1ページにどかっと載っているんじゃなくて、ちっちゃいのがところどころ
にある程度でした。
 3は、最後の方にルイージを主人公にしたミニシナリオがあったということです。
これは、他社のにもあったかな?

 というように、第一作からすでに我が道を行っている双葉文庫でした。

 ちなみに、肝心の内容はきれいさっぱり忘れてしまいました。たしかマリオを助け
るのが目的だったような気が……。偽のルイージが出てきたのは憶えているが……。
   
○ゲームブックバグ情報

 本メールマガジンの50号で、「闇の黄金郷(エルドラード)」のレビューを書き
ましたが、その際バグ報告を行うのをきれいさっぱり忘れてました。
 よって、ここに遅ればせながらご報告いたします。

 ・パラグラフ42 最後の「42へ」を「43へ」に変える。

 ……これだけです。選択肢が無いところでのバグは珍しいような気がします。ひょ
っとして42と43は元々一つのパラグラフだったのを、二つに分けたのかもしれま
せん。
 単純なミスですが、気が付かなかったらえらいことになります。こんな感じに。

 「ふふふ、物語も佳境だな。次は……ん? 42か。おや? なんか読んだことあ
  るような気が……いや、気のせいだ。ちゃんと読んで、ふふふ、物語も佳境だな
  ……さっきもこの台詞言ってなかったか? そんな馬鹿な。ちゃんと指示通りに
  進んでふふふ、物語もっておい、もしかして同じ所を何度も読んでいるのか!?
  輪廻転生、ウロボロス、恐怖の宇宙時間連続体、もしかして俺はここから出られ
  ないのか!? 誰か俺を助けてくれ。大体42って数字が縁起悪いよな。いわゆ
  るひとつの『死に番』だし」

 ……てなことにならないとも限りません(そうか?)。
 さらに、パラグラフ42は、媚薬でふにゃふにゃになった琴恵を殴って気絶させる
シーン。抜け出せないと、琴恵ちゃん何度も殴られっぱなし。かわいそ。
 絶対通るパラグラフでは無いので、気づかない人もいるかも。

 というわけで、上記のように直しといてください。ちなみに私のは初版で、二版以
降は直っているかもしれません。

 ところで、古本っていいですね。前の持ち主がちゃんと修正してくれてますから。
前の持ち主さん、ありがとう。
   
○ゲームブックに似たもの その2

今回は失われた記憶の欠片(かけら)の物語……。

 今、私の手元に一冊の雑誌が有ります。名前はTACTICS(タクテクス)。
かつてホビージャパン社から出版されていたボードSLGの専門誌です。
 当初は月間だったのですが、ボードSLGの人気低迷と、テーブルトークRPGの
大ブームのために季刊となり、最終的には消えていった雑誌です。

 今回の話は、「季刊TACTICSNo.7 1992 SPRING」の中の、
とある広告の話です。ちなみにこの号を最後に休刊しております(涙)。表紙をよく
見ると、「RPGマガジン4月号増刊」と書かれているのが、二重に涙を誘います。

 前書きはここまでにして、本題に入ります。
 どんな雑誌でも、大なり小なり広告が入っているものです。で、その中の「MUS
ASHI PLANNING」という会社の広告ですが、こんなコピーが書かれてい
るんですね。

 「テレフォンゲームが遂に登場!
  ロールプレイングゲームは諸君の自宅の電話(プッシュダイヤル専用)で簡単に
  ゲームが出来る
  本格派の諸君に送るわけだから内容はトリッキーにしてある。心して、耳をかっ
  ぽじってよぉ〜く聞かれよ! クリアしたらテレフォンカードを抽選でもらえる
  から、ガンバッテくれたまえ。」

 これ、要するに「ダイヤルQ2」でゲームするわけなんです。この会社がやってい
るのは「狂城譚(きょうじょうたん)」と「悪魔のホスピタル」ですが、たしか双葉
社冒険ゲームブックシリーズの「地層階級王国」「暗黒要塞ガルディアン」もQ2バ
ージョンがあったんじゃないかな。……ないかな、といってることで察しが付いたか
と思いますが、実は私、当時まだ未成年だった上に家の電話がまだダイヤル式(しか
も黒電話。ちなみに父親はNTT職員だった)のため、全くプレイしたことがありま
せん。

 ただ、当時の雑誌などを読んで憶えていた記憶では、ゲームブック「みたい」に進
んでいくものだったような気がします。たぶんプッシュボタンで選択するのじゃない
かな。

 と、いうわけで詳しい方、情報下さい(汗)。もし、私の思った通りのものなら、
ゲームブックの亜種として歴史に残す価値があります。そうじゃなかったら……、い
ったいこの記事どうなるんだ!?
 いや、自分できちんと調べないといけないってことは分かってるんですが、検索し
てもそれらしいのは出てこなくて、どうすればいいのか見当もつかなくて。

 しかし私もたいしたものだ。掲示板に「これについて教えてください」と書き込め
ば、2、3行で済むのに、ここまで話を引っ張るとは(しかも、前半はゲームブック
とは関係ないし)。
 あんまりほめられたものじゃないか……。
   
○雑談

今回は雑談を。

 前にも書いた通り、私は長野に住んでいます。で、ゲームブックは近所の古本屋で
探して買っているんですが、なんかほとんどすべてがエニックスのやつなんですね。
 たしかに、一番最近まで出てたシリーズですが、双葉社とか、社会思想社などの有
名どころはほとんど、いや、全くと言っていいほど見当たりません。あれだけ色々出
ていた双葉社のが見当たらないのは、不思議な気分。
 皆さんのところはどうですか?

 ……もしや、私より先にコレクションしている人がいるとか?


 私は、本は出来る限り足で探して買う主義で、今だに「パンタクル 1.01」を買っ
ていません。以前、「チョコレートナイト」を見つけた本屋に行ってみましたが、そ
こにもありませんでした。
 最近ファンタジーブームなので、どさくさにまぎれて(おい)仕入れるのでは? 
と思ったんですけどねえ。
 都会の方じゃあ普通に売ってたりするんですかね?
 上で書いた古本屋のこともあるし、一度東京まで行ってみないといかんかなぁ。
 し、しかし、古本を買いに何時間もかけて東京まで往復、というのはなんか間違っ
ているような気が。もう一度、近所を探すかな。
 

 創土社ホームページの、「剣社通信」を見ていて気がついたのですが、創土社では
自社のゲームブックを「アドベンチャーゲームノベル」って表現してるんですね。な
んかロゴも出来てるし。これは、双葉社の「ファミコン冒険ゲームブック」なんかと
同じような感じで、たぶん登録商標なんでしょうね。
 今度からは創土社のは「アドベンチャーゲームノベル」って呼んであげよう。
 でも、我々はやっぱりゲームブックって言っちゃいますね。たぶん。
 しかし、「チョコレートナイト」がAGN−008で、「パンタクル 1.01」がA
GN−004なのは不思議だ。

今回はここまで。まだいくつかネタはあるんですけどね、それはまたいつか。
   
○ゲームブックに似たもの

今回は、ゲームブック以外の「ゲームブックっぽい作品」を紹介しようと思います。

ルディンガルドの光 Windows95/98(WinMeでも動作可) CD-ROM
発売元 有限会社フレイム
販売元 有限会社オデッサプロジェクト

 ま、要するに「ノベル形式」のアドベンチャーゲーム(AVG)です。他にもサウ
ンドノベルとか言ったりしますね。ただし、「ビジュアルノベル」と言うのは、リー
フの登録商標らしいので、勝手には使えません。ちなみにリーフというのは18禁ゲ
ームメーカーです(別に知らなくてもいいです)。このゲームでは「デジタルノベル
」と表現しています。

 つまり「かまいたちの夜」タイプのゲームなんですが、このゲームは他のノベル形
式のゲームと大きく違うところがあります。
 戦闘があるのです。
 通常、ノベル形式では物語を読ませるのに適しており、ランダムの要素が無いのが
普通です。しかし、このゲームではあえてその常識に挑戦しています。しかも、戦闘
にいたる選択肢の選び方によって、戦闘時のボーナス値が違うという懲りよう。無駄
の無い、速やかな行動が勝利につながります。といっても、戦闘に負けてゲームオー
バーになることはあまりないでしょう。しかし、これは戦闘が甘いのではありません
。バランスが絶妙なのです。結構スリルがあります。
 もっとも、選んだだけでゲームオーバーになる選択肢も無いですが。

 あと、エンディングが2つしかありません。そのうち1つは、一度クリアしないと
現れない選択肢を選ぶことによって見ることが出来る、いわゆる「真のエンディング
」です。これに関しては評価は人それぞれでしょう。しかし、ゲームブックというの
は、本来、エンディングは1つだけのはず。これもまたゲームブックに近づける要因
の1つでしょう。

 あと、この手のでは珍しく三人称なんですね、このゲーム。さらに物語中に「この
世界では……」とか「中世ヨーロッパとは違い……」といった説明的な文章があって
これはこれで味があっていいと思います。

 と、ここまでべた褒めしてきましたが、もちろん問題もあります。

 まず、ゲームが短い。あっという間に終わります。中途半端というわけではないで
すが、なんとなく物足りません。あと文章の書き方が変です。これについては、マニ
ュアルに、横書きに於いては、日本文表記法では見づらいだけ、と書いてありますが
、かぎ括弧の中の句点、つまり
「こういう書き方は、さすがに違和感があります。」
 グラフィックも背景CGは取り込みっぽくていいですが、人物CGは丁寧さに欠け
ます。
 しかし、最大の問題点は発売元のフレイムが無くなっちゃてるらしいことです。
ホームページにつながりません。パッケージの「オリジナルソフト第一弾記念価格4
800円」いう文句もさみしい限りです。裏には「エピックファンタジー」とか書い
てありますが(epic……叙事詩とかいう意味だったと思う)、2作目、3作目と続く
はずだったんですかねえ。世界設定は結構魅力的なのに、もったいないような気がし
ます。誰か続き、または外伝作りません?(笑)

 と、今回はコンピュータゲームの紹介をしてみましたが、如何だったでしょうか?
私は結構古くからのゲームマニア(といってもMSXとPC−9801)で、この手
のゲームの紹介もしてみたいのですが、パソコンのノベル形式のゲームって出すメー
カーが限られてるし、ほとんどが18禁のアダルトゲームだし、最近は出てないし、
DOS時代のゲームでもう手に入らないのもあるので、紹介するのはちょっと難しい
ですね。この「ルディンガルドの光」ですら滅多に見かけないというのに。

 やっぱり、ゲームブックはゲームブック、ノベル形式はノベル形式ですね。いくら
名作といっても、何年も前のパソコンゲームをやる人なんて少ないですよね。今は、
しゃべったり、動いたりしないと、つまんないって言う人もいるし。そう考えると、
十年以上も前の作品が通用するゲームブックってある意味小説に近いのかも。で、ノ
ベル形式というのはコンピュータゲームという枠の中の一分野でしかないんでしょう
ね。
   
○記憶に残るゲームブック

今回は趣向を変えて、私の記憶に残る(つまり手元に無い)ゲームブックについて軽
く書いてみようと思います。

・記憶に残るゲームブック

 謀略の九竜コネクション ルパン三世シリーズ7 双葉文庫
 ルパンではなく、次元、五右衛門のいずれかを選び進めていく、一冊で二度楽しめ
るシステム。極限まで(大げさ)簡略化されたシステムで小説を読むように進めてい
けます。
 唯一最大の欠点は著者の塩田氏も言っている通り、よくわからないゲームオーバー
(通称、自然に帰れゲームオーバー)があることです。
 なお、この作品はFM−TOWNSに移植されてたような気がします。


 華麗なる挑戦 ルパン三世シリーズ11 双葉文庫
 個人的に大好きだったゲームブック。ルパン三世対ホームズ三世、という構図は、
モーリス・ルブランの「リュパン対ホームズ」なのですが、それ以外にも結構推理小
説のパロディがちりばめられていたような気がします(うろおぼえ)。
 しかし何といっても、ホームズ三世の本名が「シャーリー・ホームズ」というのに
は結構驚きました。実は、とあるホームズのパロディ作品にホームズの「娘」として
「シャーリー・ホームズ」が登場しているのです。おそらく、著者の前田氏はここか
ら名前を取ったのでしょう。もちろん、そんなのわからなくても楽しめる作品です。
 次元、五右衛門、不二子の三人がそれぞれ独自にお宝強奪の作戦を立てていたり、
広告や新聞記事から情報を得たりと、いろいろ賑やかなゲームブックでした。
 

 九龍クライシス ルパン三世シリーズ12 双葉文庫
 「コネクション」の二年後という設定。
 今度の主人公はハッカー少年のタカシ。システムはきれいさっぱり忘れましたが、
「マックス・ヘッドルーム」のパクリが出てくるのは忘れることが無いでしょう……
。当時、何人の読者が理解できたでしょうか。今でもわからない人のほうが、はるか
に多いと思います。私は当時わかりました。
 塩田さんってマニアニックなのね。


 ルパン三世シリーズで固めてみましたが、このシリーズって色々と工夫されていて
、出来がいいんですよね。「ルパン三世」という国民的スター(?)をうまく料理し
ています。
 同じ双葉文庫からは、ルパン三世小説版が出ていました(私は未見)が、ゲームブ
ックの方が有名ですね。結局、ルパン三世というのはそれ自体がゲームブック的な物
語なのかもしれません。アニメや漫画の主人公で、死んでも違和感が無いのは珍しい
ですからね。
 個人的にはやっぱり、死んでゲームオーバーになって欲しいんですよ。「口から血
がこぼれた」みたいな表現で。その方が「冒険してる」って気になりやすいし。スト
ーリー中心のシリーズですから、死に方には力を入れてくれないと。スリルも出るし
。
 みなさんもそうですよね? え、ちがう?
 
なお、今回は囃子さんのホームページ、「暗黒神 ダボン」の「ゲームブックの墓場
」を参考にさせていただきました。ゲームブックってあんなにたくさん出てたんです
ね。意外な出版社から出てたりして、みてると切ないです(笑)。

 こんな〜時代も〜あったねと、いつか〜話せる〜日が〜くるわ〜

って歌もあったなぁ……。
   
○このゲームブックへの思い出

やっと「トルネコ」の3巻目を手に入れました。しかし、書くことがありません。

トルネコの大冒険 不思議のダンジョン第3巻 エニックス文庫
企画 エニックス
構成・文 エムズカンパニー(池田美佐、前川陽子)
     沙藤 樹、安藤 夏

 一言でいいます。これは1巻、2巻を足して2で割った物です。
まずストーリー。実は、1、2巻は継続した話で、共通の登場人物も出てきます。1
巻のエピローグ後から2巻が始まるという構成なんですが、3巻では物語の途中に1
巻のエピローグだった話があります。登場人物も1、2巻と同じ人が出てきてますね
。

 アイテムの数も1巻のほど少なくなく、2巻ほど多くなく、といったところです。

 基本システムは前作までと同じ。ゲームオーバーになりにくいのももちろん同じ。

 正直、コメントしづらいです。大体なんで3巻を作ろうと思ったのかわからない。
前作までがそれなりに売れたので”三匹目のどじょう”を狙ったのでしょうか。

 てなところで、今週はここまで。本当、書くこと無いんですよ。マジで。

 それはともかく……。
 「週刊ゲーマニ」一周年突破(ですよね?)おめでとうございます!!
 この一年、ゲームブック界は大きく動きましたが、「ゲーマニ」がそのきっかけの
一つなのは間違いないですね。「まぐまぐ」では購読人数が200人を突破してるし
、来年の今ごろあたりは、全メールスタンドの総計が1000人ぐらいになってるか
も。
   
○このゲームブックへの思い出

初めての双葉社シリーズ。が、しかし……。

ウィザードリィII ル・ケブレスの魔窟 双葉文庫
著者 塩田信之
制作 スタジオ・ハード

 著者の塩田さんは、双葉社からかなりの数のゲームブックを出しているお方。内容
もシリアスからギャグまでいろいろあり、個人的にこの人の書く作品は、結構好きで
ある。そう思って期待していたのだが……

 あう〜これは失敗作だ〜。いや、しょっぱなからこれじゃあ救われないと思われる
かもしれませんがね、他に形容しようが無いんですよ。これは。
 どこがまずいと言いますとね、完全に手を抜いています。

 最初にポイントを体力、機敏、運に振り分けるタイプで、まあ当然途中で「体力P
+サイコロ2個」とかでチェックがあるんですけどね、目標値が全部同じなんですよ
。で、能力値は変化しないと。今回のプレイでは能力値平均とっちゃったもんで、か
なり失敗しましたよ。せめてアイテムとかで、強化出来たらなぁ。

 アイテム……。一応ウィザードリィである以上出てきます。ボルタックで鑑定して
もらったり、買ったりするんですけど意味ないです。マジで。EXPで有り金を表す
システムですが(経験を積んでいるほど金を持っている、と言う解釈だろう)、ほと
んどのアイテムは役に立たないんです。イベントアイテムなんかは鑑定しなくてもす
ぐにわかるし、結局、行動記録紙のアイテムリストを賑やかにするだけですね。
 いえ、全部が役に立たないわけじゃ無いんですが、無理にWIZっぽくしようとし
て失敗しているような感じ。

 知ってる人もいるでしょうが、このゲームブックはファミコン版を元にしているの
で、このウィザードリィ「II」は本来はシナリオ3「リルガミンの遺産(LEGAC
Y OF LLYLGAMYN)」が正式名称で、ル・ケブレスもル’ケブレス(L
’KBRETH)が正しい(?)書き方です。
 元のゲームでは、善と悪の水晶を取って、中立の水晶を作り、大地の宝珠をもらい
、という流れでしたが、このゲームブックでは、中立の水晶以降が省かれています(
善と悪の水晶を取って終わり)。しかも、ボスが本来不死身のはずのル・ケブレス。
なんか違うぞ。それ。たしかにボスキャラは欲しいけど、それはまずいだろう。謎解
きがメインのシナリオなのに……。

 私の推測なんですが、著者はほとんどウィザードリィについて知らず、上から渡さ
れた資料みたいなものを見てこれを作ったのじゃないかと思います。
 善悪パーティーも生かされてないのもつらかった。キャラクタ多すぎるし。

 WIZファンにはつらいゲームブックですね。
   
○このゲームブックへの思い出

前回の予告通り、「トルネコ」の2巻目です。
なお、前回(5/18)の「このゲームブックへの思い出」中にミスがありました。

構成・文 エヌズカンパニー(池田美佐、前川洋子)
      ↓              ↓
構成・文 エムズカンパニー(池田美佐、前川陽子)
     小橋 哲

に訂正いたします。申し訳ありませんでした。
  
トルネコの大冒険 不思議のダンジョン第2巻 エニックス文庫
企画 エニックス
構成・文 エムズカンパニー(池田美佐、前川陽子)
     沙藤 樹

 おやおや、かつて某社でゲームブックを出していた、沙藤さんが加わっているぞ。
そういえば前回気がつかなかったけど、あとの二人もよく思い出してみれば双葉系だ
な。
 冷静に考えてみれば、複数でゲームブックを書く、というのはかなり難しいような
気がするんですがどうでしょう。うまく役割分担してるんですかね。

 ストーリーは1巻とほぼ同じですが、システムが少し違います。
 まず、階数が増えてます。地下50階。ええっ、と思う方もおられるでしょうが、
「○○階にたどり着いたワシはそのまま△△階に降りた」という文字だけの階が多く
なんか無理やり階数を増やしただけのような気がします。むだなパラグラフになっ
ちゃってるわけです。

 次にランダムの要素が無くなってます。前作は「適当にページをめくって一の位を
……」というのがいくつかあったのですが、今回は無いです。これの良し悪しはは人
それぞれでしょう。自分のカンがすべてですね。

 お次は不確定名のアイテムが増えていることです。
 ……つらいです。めんどくさいです。原作に忠実にしたつもりなんでしょうが、
明らかに失敗しています。前作は指輪のみで3種類しか無かったのですが、今回は杖
、草、巻物、指輪で合計30種類。……不確定名っていっても一度やったらバレバレ
なんですけどね(当然だ)、いちいちチェックするのがめんどくさいんですよ。「銀
の杖=○○」って書き込むのは。

 最後に救済処置が無くなっています。
前作ではHP=0になっても続けられましたが、今回は無しです。でもまず0になる
ことは無いでしょう。多分不必要と思って取り除いたのでしょう。結局ゲームオーバ
ーにはなりません。

 なんか、前よりひどくなったような気が……。
   
○このゲームブックへの思い出

ちょっと前に、「原作がゲームのゲームブック化は嫌だ」と言いましたが、それを翻
すかのように、エニックス文庫の作品です。

トルネコの大冒険 不思議のダンジョン エニックス文庫
企画 エニックス
構成・文 エヌズカンパニー(池田美佐、前川洋子)

 同名のスーパーファミコンのゲームからの移植(?)ですが、私はもとのゲームを
やったことありません。ローグの系列というのは知っているのですが。
 ストーリーとしては武器商人トルネコが宝を求めて「不思議のダンジョン」に挑む
という、一見すると普通のダンジョン物のように見えますが、原作がアレだったので
かなり特殊なものに仕上がっております。

 まずマップ書きが必要ありません。ていうか、できません。一応、「右に進む…○
へ 左に進む…△へ」と言うのはありますが、それで大きく進み具合が変わると言う
ことは無く、途中でチェックしたフラグと入手したアイテムでイベントが振り分けら
れる、と言った感じです。ダンジョンにもぐっていると言うより、後戻り出来ない迷
路に入っているような感じです。地下27階までありますが、基本的には1階1イベ
ントです。

 ところでこのゲーム(というよりエニックス文庫のゲームブック全般だと思う)フ
ラグチェックが多すぎます。なんとAからヌまで。これらで現在の状態や、アイテム
の使用状況、進み具合をチェックします。もうちょっと分かりやすくして欲しかった
なあ、というのが正直な感想です。
 それ以上に問題なのがHPチェック。なんというか、文章ではうまく言い表せませ
ん。他にも経験値貯めてレベルアップしたりと原作を意識したと思われるところが見
受けられます。

 ただ、このゲーム、ゲームオーバーがありません。選択ミスによるいきなりの死、
というのはありませんし、HPが0になっても救済処置があります。それ以前に滅多
に0になることは無いでしょう。時間があればいつか必ずクリアできます。

 パラグラフのかなりの数が戦闘シーンに費やされており、はっきり言って頭を使う
場面は全くといっていいほど無いので、はっきり言って物足りません。これではスー
ファミ版の方が面白そうです。失敗作、かなあ? これ。

 全部で三巻まで出ているようですが、私は二巻までしか持っていません。二巻の紹
介は次回にさせていただきます(まあ、大差ないんですが)。
   
○このゲームブックへの思い出

今回はGW中にプレイしたゲームブックのお話。
割と有意義な時を過ごせました。

闇の黄金郷(エルドラード) 富士見文庫
原案 高千穂遥
制作 スタジオぬえ
文・構成 森田繁

 男の夢! それは秘密情報部! MI6、KGB、CIAにFBI! 国家公安
はなぜ人気がないか? なんて駄文は無視してストーリーを説明しますと、第一次
大戦中、秘密情報部員として連合国のために働いた主人公、神崎史朗は戦後日本に
戻り、高校教師として生活していた。が、自分のミスであっさり首に。金はそこを
つき、もはやこれまで、と思っていたところに、かつてふとしたことから手に入れ
た中国の古い壺に黄金の都を暗示する言葉を発見した……。といった物ですが、
これ、結構面白いです。まるで小説を読むみたいにゲームが出来ます。

 舞台は1930年代の中国なんですが、この第一次大戦から第二次大戦という、
一般にはなかなか手を出しづらい時代をうまく料理しています。最も私自身この時
代についてはほとんど知識がないので、どれだけ正確かはわからないんですが。
 唯一わかったのは、ソ連の「最新鋭戦闘機」としてI−15が出たことぐらいで
すね。このI−15、後継機のI−16と一緒にゼロ戦にボコスカにやられたやつ
です。まあ、複葉機だから当然なんですが。それはさておき、出てくる武器も当時
のものをよく調べています。このあたり手を抜くと、興ざめしちゃいますからね。

 登場人物なんかもいい感じです。特にヒロインの深道(みどう)琴恵と敵役の峰淵
龍悟がいい味を出しています。ちなみに琴恵は16、7歳ですが、あとの登場人物
はほとんど一人前の大人。日本のゲームやドラマなんかでは、無理やり子供を主人公
にしてたまに出てくる大人は子供以下の馬鹿か極端な自惚れ屋、というのがパターン
ですが、このゲームブックに関しては大丈夫と思います。みんなしぶいです。

 ルールも単純で、1D6+戦闘力と言った判定方法で、特に覚えなくてはならな
いようなことはありません。フラグチェックもありません。

 一言で言うと、シナリオ重視(しかもマルチエンディング)のゲームブックとい
うことですが、書く人が書くと違うと思いました。さすが「ぬえ」ですね(メカは
出ないけど)。

 しかし、本当に意外な人物がゲームブック書いてるんですね。本文イラスト(佐藤
道明さんと田中由利さんが書いているらしいが)はどうかな、と思いますけど。
時間がなかったのかな。
   

○GW特別企画第二弾!!こんなゲームブッカーはいやだ!!

 悲劇の原因は読者にもあった!?よい政治家はよい国民からしか生まれない。
自らの体験を元にして、今、再びみづつが(勝手に)吼える!
 みんなも一緒に叫ぼう!「こんなゲームブッカーはいやだ!!」
 君も史上最悪のゲームブッカーにフュージョンしてみないか!!
 みないよ!
 右が私のコメント。

・しおりをたくさん用意する

              卑怯者め!!

・戦闘に負けても勝ったことにする

              いさぎ悪い!!

・アイテムを持っていることにする

              いいかげんにしろよ

・接続が狂っていても気がつかない

              悲劇始まる

・めんどくさくなって、チェックを怠る

              クリアする気あるのか?

・接続が正しいのに自分で勝手に違うところに飛んでしまう 

              作者の意図せぬ迷子

・「予知能力」とかいって先のパラグラフをみる

              それではゲームにならないのだ

・「14」という数字を恐れる

              現実世界では大した意味はないが……

・「400」より先が数えられない

              その先は「未知」の世界

・たいしたネタではないくせに、意地になって毎回投稿をし続け、紹介する
 ゲームは当回しに批判ばかりで、だらだらと長い文章を書いて、「スター・
 トレック」のファンで今もサントラを聞いていて、そんなことはどうでも
 よくて、なんとなく自分が凄くなったような勘違いをしていて、前項の指摘が
 全部当てはまって、何というか、そんな人

              こう書くといやになるな
              本格的にゲームブック集め出したのはつい最近
              昔、ずいぶん捨てました
              「新スター・トレック」DVD-BOX 7月から発売!

 いや〜、ゲームブックってほんっとにいいものですね。
   

○GW特別企画第一弾!!こんなゲームブックはいやだ!!

 去年から復興の兆しが見えるゲームブック。しかし、かつての悲劇が訪れない
とも限らない。そこで私、みづつが(勝手に)吼えた! 悲劇を避けるためにも
みんな叫ぼう!「こんなゲームブックはいやだ!!」
 ゲームブックの平和は、俺が守る!!
 守れよ、絶対。
 右側は私のコメントです。

・パラグラフがやたら多い

              四桁あるとか(辞書?)

・作者がテーブルトークRPGマニアでルールがそれっぽい

              戦闘に時間がかかりすぎるぞ

・作者がボードSLGマニアでルールがそれっぽい

              地形効果って言われても……

・主人公がプレイヤーを無視して行動する

              俺は逃げたいのだ!! 勝手に戦うな!!

・次巻に続くとかいいながら、その次巻はまったくつながりのない話である

              一度作り直したな、この作者

・接続がでたらめでまともにクリアできないにもかかわらず、あとがきに「何度
 もチャレンジしてください」とか書いている

              狙っているのか?

・無限ループがある

              これはゲームオーバーなのか?

・イラストが下手すぎる

              人物紹介では「美少女」のはずなのだが……

・イラストが本文と矛盾する

              罠、なのか?

・一つも選択肢がない

              ただの読みづらい小説である

 
 ではまた次週お会いしましょう。サヨナラ、サヨナラ。
   

○このゲームブックへの思い出

コミックゲームブック
ストリートファイターIIゲームブック(1) 双葉社
原作 斎藤楠卜
作画 森田屋すひろ

 「コミックゲームブック」という名の通り、文章ではなく漫画で話が進んで
いくやつです。よくみると「小学生低学年向」って書いてるぞ、これ(笑)。

 ストーリーは少林寺から盗まれた秘伝書をベガが手にする前にとり戻すため、
リュウと春麗が旅にでる、といったものです。序盤で、直接秘伝書を取り戻す
以外の選択肢がありますが、当然最終的にはベガとの戦いです。

 戦い、そう、このゲームブックには戦闘があります。「ストII」だから当然
ですが、小学生低学年にゲームブックの戦闘が理解できるのか?と思った人が
多いと思いますが、心配要りません。ほとんどすべて迷路なのです。つまり
迷路を抜けて、相手のところにたどり着けば勝ち、といったものなのです。最も
純粋な(普通の)迷路は少なく、ほとんどはA→B→Cの順番に進もうとか、
ポイントを集めながら進もうとか、途中のクイズを解こうとかですが。途中の
選択肢にも迷路のがあります。

 このゲームブックをやってると、子供のころ迷路とかなぞなぞとかを必死に
なって解いていたころを思い出して、ちょっとうれしくなってしまいます。
 内容はともかく、心の琴線にふれっるってやつですかね。古本で100円
でした(カバーなしで定価不明)。

 ところで、二巻以降出版されたのでしょうか?そこだけ気になります。
   

○僕のゲームブック論

小説や漫画、アニメを元にしたゲームというのは別に珍しくありません。という
か初めからそういう風に作られている物もあります。
個人的にはあまり好きじゃないんですが、これは別にいいんです。
しかし、ゲームのゲーム化というのはどうでしょうか?

エニックスや双葉文庫のゲームブックはそういうのが数多くありました。
スーパーマリオとか、ゼルダの伝説とか、ドラゴンクエストとか……(古い)。
利点として設定が楽である、読者が取っ付きやすい、名前で売れるなどがありま
すが、元になるゲームは出来がいいのがほとんどで、それらと差をつけようと妙
なシステムを作ったり(やたら手間がかかる)、元のゲームと似ても似つかない
ものになったり(名前だけ)、ゲームとして崩壊していたり(コメント不能)と
悲惨なゲームブックが氾濫しました。
もちろん中には出来のいいものもあったのですが、少数です。

思うに、元の世界観を引きずらなくてはならないというのが、作り手の自由度を
無くし、それがクリエイターとしての欲求不満を招き、無理やり個性を出そうと
して、前述のような無残な結果を招いてしまったのではないか、と思います。

実際、出来のいいの物は設定からキャラクターまできちんと一つにまとまって
いるんですよね。これはゲームブックに限ったものではないですが。
というわけで、私としては「ファミコン冒険ゲームブック」が生まれたときに
ゲームブックの衰退はすでに始まっていたのではないか、と思います。

ちょっと乱暴ですけどね。



今エニックス文庫のファイヤーエンブレムやってますが、キャラ多すぎです。
   

○このゲームブックへの思い出

今回は、レビューではなく、なんと言うか、その、プレイする気も起きないゲー
ムブックの話。

サイレントメビウス「月の廻廊」 角川書店
麻宮騎亜 原作・監修
尾崎克之 著

昔のゲームブックとかでは、マッピングが必要なのも珍しくありませんでした。
そういうのは、プレイに時間がかかりましたが、「ゲームを楽しむ」という点で
、他のゲームブックより勝りました。主人公の視点でゲームができたからです。
それで、マップが完成していくのを楽しむことができました。

ゲームブックブームが訪れ、「マップを書く」のではなく「マップをなぞる」
タイプのものが増えました。説明書きのあたりに、「地図」があるやつです。
物足りなくなったのは確かですが、初心者にはこれでちょうどよかったのでは
ないでしょうか。ゲームそのものの難易度はさほど変わりませんし……。

今回紹介する「サイレントメビウス」はそれが行き着くところまで行ってしまっ
たものです。このゲーム、「マップをなぞる」タイプのものですが、そのマップ
がなんと、迷路になっています。

舞台は西暦2028年東京。「ルナ・パーク」という大規模遊園地を舞台にその設計
者の主人公と、AMPのメンバーが協力して捜査をするというものです。
で、冒頭に「ルナ・パーク」の地図が書かれているのですが、これがさっき言っ
た通り、迷路。この迷路を抜けて当たったところの数字のパラグラフを読みまし
ょう、ということですが、はっきりいってものすごくめんどくさいです。
しかも、見開き、つまり2ページにわたって書かれていますので真ん中のあたり
が見づらい見づらい。

主人公が言うには、「ルナ・パーク」のテーマは意外性で、迷路を進んで行くと
いきなりアトラクションにぶつかるとか言ってますが、現実になくてよかったで
す。

なんというか、その、なんでこういうのを作ろうと思ったのか謎です。
ちなみに編集はレッカ社。
   

○このゲームブックへの思い出

今回はレビューです。ちょっとネタばれっぽい。

ゲームブックレビュー

「暗黒城の領主」 富士見文庫
ジーン・ブラッシュフィールド 著
大出健 訳

左上のドラゴンとD&Dのホログラムで有名なAD&Dシリーズゲームブックの
6作目です。
かいつまんでストーリーを説明すると、夜な夜な人を襲うバンパイア、ストラー
ドを倒すためにパラディンである主人公がストラードの館にのりこむ、
という話ですが(かいつまみすぎ)、実はこのゲームブックのアキレス腱は
まさにここなのです。
どういうことかというと、ほとんどすべてのイベントがストラードの館の中で
おきていることなのです。当たり前じゃないか、と思われるでしょうがこれが
結構圧迫感があり、なんかつらいのです。
ホラー映画なんかだとそれでいいですが、ゲームの場合ちょっと不満に感じて
しまいます。このあたりは人それぞれでしょうが……。

ちょっとCM−−−
「くしゅん!!」
おやおや、花粉症の人は大変ですね。でももう大丈夫。ゲームブックがあれば
家にいながらにして大冒険が出来ます!
さいころ片手にさあ、あなたも冒険の旅へ!!
−−−−−−−−−

それより問題なのはストラードの倒し方です。ゲーム中に「太陽の剣(サンソー
ド)」という強力な武器が手に入ります。これはストラードも恐れるほどの剣で
、名前からしていかにも最終兵器って感じですが、これではストラードは滅ぼせ
ません。
まあ、真のエンディングではないというだけで、一応倒せるんですが……。

彼の本当の弱点は全く別のふたつのアイテム。しかも、それを使うときは彼や自
分の生命点は全く関係なく、運のみです。つまり、これらが手に入ったらまっす
ぐストラードのところに行くのが一番の近道です。

最後に気になったのが、解説が故大貫昌幸氏だというところです。
このころはまさか数年後に亡くなられるとは思いもしませんでした。

なんというか、二度三度とはやる気にはなれないゲームブックでした。
   

○恐怖の本屋シリーズその2 「予想された勘違い」

今回はわりとありふれた話です。
ここは長野県松本市、南松本駅の近くの本屋。
ふらふらと店内をうろつく私の前にとある文字が現れた。

 「ゲームブック」

なにっ、ここにはゲームブックコーナーがあるのか。いや、そんなはずはない!
もしや!!

 「なぜだ……、これが現実だといのか!?これが……」(心の叫び)

そう、じつはゲーム攻略本のコーナーだったのである。
とにかく、紛らわしいコーナー名はやめていただきたい。一瞬でも期待した私が
馬鹿みたいではないか(注:お前が悪い)。

……でも、ひょっとして昔は本当にゲームブックが置いてあったのかも……。
そう思うとちょっと切ない気持ちになりました。おしまい。

なお、この本屋には「チョコレートナイト」は置いていませんでした。

ちょっとCM−−−
「ホワイトデーのお返し忘れちゃったよー。今から何を送ろうか……」
そんな君にアドバイス。創土社の「チョコレートナイト」はいかが?
「チョコレート」のお返しに「チョコレートナイト」ってなんておしゃれ!!
彼女は失うかもしれないが、ゲームブックファンは増える!!(切実)
「チョコレートナイト」(1200円)絶賛発売中!!
−−−−−−−−−

この間、某パソコンショップでパソコンゲーム「ルディンガルドの光」
を買いました。このゲームはゲームブックに似てる、つまり「ノベル形式」
のゲームで、一部でちょっと評判になったゲームです。
序盤しかやってないので評価しづらいですが、割と面白いです。
いつか、レビューしてみたいですがねぇ。「ブック」じゃないけど。

次回予告:
何も決まってません。ネタがないわけではないんですけどね。
とりあえず次回にエンゲージ!
   

○恐怖の本屋シリーズその1 「場違いな棚」

ここは長野県茅野(ちの)市、茅野駅近くのとある本屋である。
私はその本屋に時間つぶしも兼ねて、ふらりと立ち寄った。
小さな本屋だったが、こういう所に得てして掘り出し物があるものである。
”なにか面白い本はないだろうか”
そう思いながら店内を見渡した。そして上下巻二冊の本を選び再び辺りを見渡す
とある一冊の本が目に留まった。
「チョコレートナイト」
おお、こんな小さな本屋にも置いてあるのか。余程ここの定員さんはしっかり
しているに違いない、あっぱれじゃ。みごとみごと。
一人で感心しながら「チョコレートナイト」が置いてある棚をよく見ると、
あることに気がついた。

「なんじゃこりゃあ!!」(心の声)

なんとその棚はいわゆるひとつの「アイドル本」の置いてある棚だったのある。

「なぜだ!なぜ偉大なる鈴木直人氏のゲームブックと『モーニングなんちゃら』
とか『Vなんとか』とかが書いた売るためだけのような本と同列になるのだ!
だいたい、本当に本人が書いてるのか?こういう本って」(心の叫び)(注1)

しかし、よく見ると厚さ大きさ共に丁度同じくらいなのである。
なんというか、収まるべきして収まったという感じ。
私の取れる手段はただひとつ。
「買う」ことである(もちろん「チョコレートナイト」をである)。
だがしかし、すでに私の手には今日買う予定の本が。財布には約二千円。
買えるのはどちらか片方のみ。どうするみづつ!!

「『チョコレートナイト』はもう持ってるし、でもこのままほっとくのも……
巷には、複数冊買った人もいるみたいだし、う〜ん」(心の迷い)

で、結局「チョコレートナイト」はあきらめましたとさ。おしまい。(おい)

ちなみに買った本はハヤカワ文庫の「新宇宙大作戦 ヴェンデッタ/上下」
である。つまり小説版「新スタートレック」。マニアめ。

次回予告:
いつもの様に本屋をうろつくみづつに最大の危機がせまる!!
「なぜだ……、これが現実だといのか!?これが……」
恐怖の本屋シリーズその2「予想された勘違い」にエンゲージ!!(注2)

注1:ファンの人ごめん
注2:「Engage」「新スタートレック」のピカード艦長の十八番。発進の意。
   

初版公開:2002年12月27日 最終更新日:2002年12月27日
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