第64期順位戦感想

　将棋順位戦データベースを参照し、酒を飲みながらだらだら感想を書いてみる。

　昇級者の顔ぶれをみると、全クラスで関西棋士が顔を出していて面白いなと。畠山鎮や山崎隆之の全勝も素晴らしいし、なんといってもプレーオフを制した谷川浩司の素晴らしさといったらない。阿部隆や橋本崇載のキャンセル待ち昇級も、キャンセル待ちになるまで成績を残したわけだけだから拍手です。

■A級　名人挑戦：谷川浩司九段

　3月16日の深夜は興奮したねえ。どんな将棋を指しているのか知りたくて２ちゃんねるの掲示板をのぞいては見たものの、情報が錯綜していて（笑）なにがホントやらわからず、ただみんな高揚しててじっとすることができなくて、とりあえず事実、妄想、希望、期待、無意味、嫌がらせ、等々がガンガン書き込まれていました。それを眺めながら、羽生×谷川プレーオフという黄金カードの持つ力、巡り合わせの妙、そして今この時間帯（25時）に谷川先生が頑張っているという事実にただひたすら感謝＆感動。こんな幸せを知らない人達は可哀想だなと思ったり（もちろん、将棋バカな私たちの方が可哀想、といえなくもないですけど）。

　しかしところで。例の有料ネット中継のサーバが終盤、一番知りたいとところで止まったそうですが。事実だとしたらほんと、死んだ方がいいです。もう何度も何度も何度も何度も指摘してきたし指摘されているし何度も不具合を出しているし、対策もしているんでしょう？　加入されている方はさぞヤキモキしたことでしょうし悔しく思ったでしょうなあ。俺だったら訴訟起こすね（笑）。期待に応えられないのなら、他の技術を検討しろよ。恥ずかしく思わないのだろうか。わからない。何を考えているのかわからない。まあ僕は信頼できる技術者や会社に変わらない限り一生涯利用しませんけどね。

　A級は羽生と谷川両者が8勝1敗というハイペースで展開するという、力が拮抗しているA級では珍しい星勘定となってました。そのとばっちりを受けて3勝6敗が5名という（笑）。それら5名から降級者が出たわけですが、なかなか厳しい裁定ですな。降級は鈴木と森下。森下はもうA級格ではない、というか相対的にレベルが上がってしまっているのではじき飛ばされた、といったほうが正しいと思うけれども。振り飛車衆のうち鈴木が落ちたけど、久保もそろそろ順番が回ってきそうな感じだな。そろそろ他の棋戦で実力を見せておかないと、来期はかなり厳しいのではないかと。

■B1級　深浦康市八段、阿部隆八段

　深浦の昇級は当然過ぎる。ただ彼も羽生世代に押しつぶされてタイトル戦に出ることすらままならない状態だ。他の棋戦での活躍を期待したいひとりだな。それにしてもつくづく羽生世代（年齢はほぼ一緒なんだけどね）は桁外れの強さだといえよう。

　滑り込みは阿部隆八段。かとう1234さんがB1順位戦オーラスで書いておりますように深浦が米長哲学を発動し、自力の中川を粉砕したたまものです。足を向けて寝られませんな。

　しかし阿部はどうだろう…。A級でやっていけるのかなあ。竜王戦で羽生を追い込んだのはもう3年も前になるのか。それ以降活躍したかというと、ねえ。A級に関西棋士が増えるのは嬉しいけれどね。

　降級は、先崎、青野。青野先生は年齢的にしかたがないですが、先崎はまだ34ですよ？　羽生との距離がどんどんどんどん開いていきますな。あっはっは。こりゃ完全に芹沢コースですな（笑）

　B2には天才仲間の加藤一二三や土佐、C2からやってくる山崎、渡辺とそうとう賑やかかつ華やかなクラスになりますね。頑張ってください。

■B2級　畠山鎮六段、森けい二九段

　双子の弟、畠山鎮の全勝も凄いけど、58歳の森もお見事。っていうか内藤先生、自力だったの田中寅彦負けるなんざ…。まあこれが勝負なのよね。もっとも杉本、屋敷もチャンスがあったのになあ。ことごとく最終戦負けているっていうのがなあ。みんな勝負弱すぎ！　そう思うと森の頑張りは彼の戦歴を考えると当然なのかもな。

　このクラスはしっかし関西棋士が多いなあ。23名中10名か。いやはや。

■C1級　山崎六段、渡辺竜王

　この両者の昇級は期待通りですね。若手実力者が上がったということでまずはめでたい。でも彼らはここからノンストップでA級まで駆け上がって頂かないといけない存在なので満足して貰っては困ります、っていうか満足なんかしていないと思いますけれどね。山崎もそろそろタイトルの一つは狩らないといけないよ。分かっているよね？

■C2級　安用寺孝功五段、阿久津主税五段、橋本崇載五段

　実力派若手と山崎の兄弟子が昇級。若手二人はドンドン昇級すること。橋本はとくに今期活躍しておかないと、ただのへんな将棋指し、というレッテルだけが残ってしまうぞ！　気をつけろ！

　来期はそうだな、突然勝ちだした佐藤紳哉、早指しキング田村康介、そして新四段糸谷に期待しよう。

　以上です。