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ほら風化した

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 瀬川さんがプロ棋士になって暫く立つ。マスコミにちょくちょく登場する瀬川さんに同情する。将棋を研究する時間がかなり削り取られてしまったことだろう。マスコミからの需要があるため断れなだろし、なんといってもマスコミの後押しもあってのプロ試験だったわけだし。三流棋士が遊んでいたり、組織制度変更に抵抗してみたりする間もプロにとっての「雑事」に忙殺されることになって、将棋も勝てなくなる。おそらくそうなる。瀬川さんは将棋界に殺される。

 瀬川問題というプロ将棋界の人気取り企画は、将棋界という世界があります、という生存確認的な単発イベントという位置づけになってしまった。それに続くイベントや企画がないし、見あたらないし、やる気がないし、見えないしという状況である。タイトル戦はいつものように地方で行われれ、新聞に観戦記が載り、地元のメディアにちょっぴり顔を出す、というループ。変化もクソもあったもんじゃない。

 米長会長は、すべてをガラス張りにして組織を変えているそうだが、ガラスの向こうではこちらに背を向けてなにかを企まれていたらわからないじゃないか。プロ対コンピュータの対戦を禁止する、そう宣言するなら、今後どのようなロードマップで棋界は動いていくつもりでいるのか。より盛り上がる提案をどんどんしたらどうか。ファンに公開したらどうか。

 プロ門戸を広げるという話しも同様だし、ネット棋戦の創設案や、アマプロの位置づけに対する態度など、ネタはどんどんあるわけですよね。観戦記のスタイルや、棋譜流通の話し、普及活動、普及委員の位置づけ、地方と将棋連盟の関係、指導方法の確立、女流の地位、権利向上等々。

 折角盛り上がった今だからこそ、いろんな議論をやって欲しいわけで。だからこそ、いつもいっているけれど、経営陣と棋士を分けて、それぞれの道を究めるスタイルでやって欲しいわけね。棋士が全部決める形式はあまりに非効率ですよ。得意、不得意あるんだから。

 将棋世界の渡辺竜王の連載はいい線いっていると思うけれど、結局フィードバックされることなく、ただみんながワーワーいっているだけになっていないだろうか。あー、もったいない。

 せめてプロ側が気にしている項目を挙げてもらえると、こちらとしてもつっこめるんですけれどね。どうして組織全体に危機感がないのだろうか。もしかして、瀬川問題で注目してもらったから、「あれ、もしかして俺たちまだ人気あるのかも?」なんて勘違いしてしまったんじゃなかろうか。そうか、ここか。


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初版公開:2006年1月29日 最終更新:2006年3月19日
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