伝える努力を


 将棋の広報を芸能人に頼るというのは情けないと思わないのか、と週刊将棋で連載されている田丸昇のコラムを読んで思ったことを思い出した。まあ、自分達には普及させる力がないのです、と告白したと受け止めておりますけれども。そもそも安易に芸能人の知名度を利用しようとするその根性がいかんよ。全国各地で自腹を切って若いアマチュアを育てている人達のことを考えたことがあるのかと問いたい。そんな人達に対して恥ずかしいとは思わないのか。

 普及なんてものはね、地道にやるんですよ。汗流してやるんですよ。いつまで殿様商売できると思っているんだか。大体棋士は将棋を指すことも仕事だけれども、それと同等に普及を進める義務があるはずです。普及とは人と人との付き合いです。小さな知り合いばかりの世界ではありません。開拓するためには、苦労も多いでしょう。そういうところに棋士を出して、営業の修行もさせないといけないのではないかと。いつまでの自分の殻に篭っていては、誰も見向きしてくれなくなる。

 地方大会の審判だとか、講演会だとかもよいでしょう。やらないよりはましです。ですが、これらは請われてやる仕事。そうではなくて、将棋連盟から積極的に営業活動をしないと駄目ですよ。ただ黙って打つ手が無いと手をこまねいている余裕はないはずです。

 営業に適した棋士を選抜してチームを作り、銃弾爆撃的に全国の道場を回りプロ棋士のアピール(どうやって将棋で飯喰っているのか知らない人、いるからね)し、講座や大会を開きまくればよいです。それを毎年やる。そうすれば棋士も営業能力が付くだろうし、ファンとの交流も確実に増えるでしょう。どうしてこんな泥臭く、それゆえ最も効果のある普及活動をしないのか、ホント理解に苦しみます。将棋村は今日も無風。

 追記:関西将棋連盟が支部・教室へ棋士を派遣するキャンペーンを行うようです。もっと広く、学校、会社等へ派遣にも手を伸ばして欲しいですね。


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初版公開:2004年3月27日 最終更新:2004年6月10日
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