移動の負担


 タイトル戦は、主催紙の宣伝と将棋の普及を目的に、日本各地に棋士が赴き戦うものであるが、棋士にとってみれば戦い慣れた日本将棋連盟の会館で指していた方が気楽だろうし、普段の力も発揮されるのではないかなと。前日に会場入りして対局場を検分したといっても、一日やそこらでその土地の空気や雰囲気に慣れるとは思えないし。やっぱり勝手が違うしさ。枕が変わったら眠れなくなる人もいると思う。それまで好調だった人もタイトル戦がきっかけで調子を落とす、なんてこともあったんじゃないかなあ。

 だからそういった舞台で好成績を残せる人っていうのは、よほど肝が据わっているか、神経が鈍くないと駄目ね。逆に雰囲気に飲まれたり、気が小さい人には厳しいだろうなあ。トップに立つにはどんな環境でも力が発揮できるという、何事にも動じないある種の無神経さがないとね。

 慣れが解決することもあるでしょう。ま、慣れるぐらいタイトル戦に登場できる人に、キモが小さい人なんていないでしょうが。


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初版公開:2004年3月20日 最終更新:2004年3月27日
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