A級順位戦座談会 その9


某休憩室。

「森内、羽生に四連勝で竜王位奪取。今期の森内の強さは一体なんなんだ?」

「名人戦で四連敗した人と同一人物とは思えないね(笑)」

「あーもー、つまんねーなー。王位が負けちゃったんで挑戦はほぼ森内に決定だなこりゃ」

「森内五連勝だものな。後続が三勝止まりなんで、一つこぼしてもよい勘定なんだよな。そんでもって結局二位グループ内で星の潰し合いになるから、まあ九割方森内だろうね。わざと外した予想が当たってしまいそうですなあ」

「最終日が盛り上がらんよこれじゃあ。降級争いを楽しむしかないのか。えーっとこっちは全敗者がいなくなって少しだけ、面白くなってきたみたいだね。大方の予想通り、青野、島を軸になんと藤井、丸山が絡んでるな」

「丸山はなんでだろう。よくわからんなあ。それより藤井が重症だよ。今期は全体的に不調の様子だし、予断を許さないね。ただし順位がよいという材料があるのでそう悲観しなくてもよいとは思うけれども」

「島は運がいいというか、対鈴木戦で勝利を拾ったのはなんというか、恐ろしさを感じるな。わからないもんだ」

「ああ、島が最後のお願いとばかりに必死をかけた局面、島の玉が穴熊にいるので、詰まないと諦めてしまったんだよな。実際はプロからすると追い詰に近い簡単な筋で鈴木の勝ちだったっていうんだから。これはやりきれないねえ。次局に響きそうな負け方だな」

「負けた、と観念しちゃったんだからしょうがないね。穴熊幻想はまだまだ健在であることよ」

「しかしこんな勝ち方してるんじゃあ今期はダメでしょう。A級の将棋とは思えないもの」

「降級争いとはいっても、どうも大方の予想通りな気がするし、挑戦にしても降級にしてもたいして盛り上がらない年度になりそうだよ。実際のところ、両方とも最終日前に決まりそうだもん」

「そうだな。でも今期は森内の充実ぶりに敬意を表そうじゃないか。名人位を四連敗で手放したダメージがあっただろうに、竜王位を手中に収め、順位戦も独走しているし」

「逆にいえば、ここまで結果を出したのに、名人位に挑戦できなかったらこの一年の頑張りはなんだったんだと嘆きたくもなるだろうから(笑)さらに気合を入れて頑張るでしょう」

「というわけで、今期のA級はもういいや(笑)」

「下駄を履くまで勝負はわからないっていいますし、もう少し様子をみましょうよ」

「いいんだもう。今期はB2の行方、C1の屋敷、C2の山崎、田村の昇級を楽しみにするよ。実力者なのに足踏みしてきた連中なので今回の機会を逃さないで欲しいね。行方は春になると花粉症で将棋を満足に指せないっていうから、極力早めに決めて欲しい」

「ああ、あと加藤一二三の降級は避けがたいのかな?」

「流石にダメっぽいね…。順位が悪すぎ」

「名人経験者がB2へ行くのか。なんだか切ない話だな…」


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初版公開:2003年11月29日 最終更新:2003年12月6日
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