棋譜解説サービス


 というのがあるのですが。吃驚しました。これ需要あるんですか、というか知っている人いるのでしょうか。

kif.jp

 自分の棋譜1つに付き15個ほどコメントを付けてくれるのだそうです。サービス期間なので通常2000円のところ、1500円でやってくれるのだそうです。ということは1コメントあたり100円か…。サンプルを見ると、細かい変化までには立ち入ってくれない模様です。なんつーか、棋譜再生ソフトで閲覧可能な行数っていうのでしょうか。実にシンプルであります。

 僕は自戦記を書いて世間の皆様に恥を晒しているのですが、おおよそ同じぐらいのコメントを付けているわけです。自分の将棋ということもあって、コメント付けは5分も掛からないわけですよ。だとすれば、自分より棋力の低い人の将棋にコメントをつけるなんざ、あっという間に終わるでしょう。濡れ手に粟といいますか、ボロイ商売だなあと思うわけですよ。まあ利用者数を考えるとこのような値段に落ち着く(?)んでしょう。

 ところで、このコメント、利用者にとって1500円に見合うシロモノなのでしょうか。まあ、こればっかりは各個人の判断に任せるほかはありませんが、僕などはとても出せない。コンビニバイトの時給で換算すると二時間ですよ。二時間分の労働との対価に見合うとは思えない。僕はいま天野宗歩の実践集を並べていますが、これ、160局収録されて、内藤国雄の解説が100局以上、お値段は4500円。一局当たりの値段を計算すると、50円以下。しかも解説はしっかりついています(まあ、下調べは他の人がやったであろうにしてもね)。谷川浩司の自戦記にしても新装版だと1500円で78局すべてに解説がついている。こういった前例があるだけに、いくら自分の棋譜を解説してらう喜びはあるにしても、虚しく感じてしまいます。まあ、こういうのは免状のように、自己満足したい人たち向けなんじゃないかなと思いますね。でも、あまりにマイナーな方が解説をやられても、付加価値は低いのではないでしょうか。あの羽生が添削!というのであれば、解らないでもないですが。

 逆に提案したいのですが、一棋譜1500円じゃなくて、一ヶ月1500円、ただし一日一棋譜として、通信教育のような形式に持っていくというのはどうでしょうか。コメントを付けるだけではなく、トータル的に将棋技術の向上をサポートする、一人一人の将棋の個人教授のようなサービスですね。長いお付き合いを目指すわけです。棋力向上のアドバイスなども追加したり、目標を設定してあげることによって可能なような気がしますよ。なんというか、実に惜しいなと。


TOP将棋戯言前の戯言次の戯言
初版公開:2003年11月15日 最終更新:2003年11月22日
Copyright © double crown
double crown(E-mail:doublecrown.under@gmail.com)
http://doublecrown.under.jp/
http://doublecrown.under.jp/shogi/0145.html