不祥事の後始末


 プロ棋士というか、トップ棋士の指す将棋には興味が依然あるものの、組織としての日本将棋連盟にはもう絶望しているので、今回の大内九段の殴打事件に対する連盟の対応にもほとんど興味なしなのですけれど、まあ、感じたことをちょっと。

 事件発生(11日)から4日後(15日)になってやっとサイトになにやら本件のことがコメントされていますが、主語の抜けたあいまーいな文章で閉口しますねえ。対策なり今後の指導方針なりないと、再発防止もままならないと思うのですけれど、そうこうコメントはないみたいです。ごめんというだけなら猿でもできるんですけれども。

 速やかに組織外へ向けてメッセージを公開しない / できない体質は今後も直んないだろうなと。まずもってだね、連盟窓口である渉外がなーんにも情報発信をしていないっていうのはありえないよ、普通。一番早いのはWebでのコメントでしょうにそれすらないし。ニュースが報道された翌日あたりに「現在調査中です」ぐらいは書けると思うのです。それでもって肩代わりをしているのは、米長永世棋聖のサイトの掲示板だったりしますし。何故彼がコメントを出さないといけないのだろう。彼は日本将棋連盟の代表ではないのですよ。連盟が何もしないから、情報を欲しがっているファンに対して誠意を見せていくれてはいますけれど。これって理事会や渉外の仕事だというのにね。酷いよなあ。なんで一人に背負わせるのかな。

 特に今回は、礼儀を重んじる「将棋界」を真っ向から否定する内容の事件だったわけですから、イメージダウンは避けられないですよね。ですからこういう場合、早急に処分を決めて発表する、そうすることで逆に、きちんとした組織であることをアピールできる機会だった考えてみればよかったんじゃないかな。そう考えることができれば、もたもたしてちゃ勿体無い、ってことが解ったはずなんですけれどね。事実を確認後報告する、というのは問題処理の基本ですが、まず現状を逐次連絡するほうが誠意が感じられると思いますし。

 こうみていくと、やはり将棋界のルールと一般社会でのルールとの差を改めて痛感します。企業が不祥事を起すとそれこそ死活問題になることもありますから(程度によりますけれど)、真剣に迅速に対応しますし、しないと潰れます。他に企業はあるしね。将棋界は代替の団体がないからか、社会的価値があると思っているのか安穏としているご様子。ふんぞり返って威張りつづけたそのツケに、どうして気づかないのか不思議でなりません。お尻に火がついているのも気づかないということですから、丸焼けになったとしても「暑いなあ」ぐらいで済ませてしまいそうです。


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初版公開:2003年10月18日 最終更新:2003年10月25日
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