奇跡の詰将棋


 奇跡という言葉でさえ生ぬるい。そう感じさせる詰将棋がある。しかしその偉業は将棋史に埋もれ顧みられることはない。指し将棋の専門誌には手数が長いため掲載されることはないし、専門棋書は高価ですから一般ファンは観る機会は全くと言っていいほどない。ところが幸いなことに Web 公開しているところがありますので紹介させてもらいます(Javaが使える必要あり)。

 詰将棋博物館より。このサイトは古典詰将棋を網羅した凄いサイトなので、詰め将棋ファン必見であります。

 それにしてもこんな詰め将棋を作れること自体信じられない。その趣向は誰にでも思いつくものだけれど、実際に作るとなると話は違ってくるでしょうね。『神局』と呼ばれるのもうなづけるところです。

 詰将棋はそのパズル性から、一部のマニアにのみ解放されていた世界でしたけれど、例えば女性向けにパズル雑誌が多数発行されているのを見ると需要がなくもない、と思われますし(いきなりは無理でも、新聞の片隅にあるように掲載してもらって少しでも知名度を上げる努力をしてみるとか、ね)、大作の詰め将棋の手順を眺めているだけでも結構楽しめたりするものです。将棋の魅力の片翼を担っているのですから、こちらも盛り上げないと片手落ちな感じがします。このような作品があるのを知れば、将棋への興味も増えるんじゃないかなあ。

 ところで名人位の権威を復活させるために、名人就位に詰将棋の献上制度を復活させる、というのはありかもしれんなあ、と思ったり。流石に条件厳しい過ぎるか。無双、図巧を超える作品を紡ぎ出せる人間はもうでないだろうし(ごめん、詰め将棋界に明るくないから、もしかしたらいるのかもしれない)。


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初版公開:2003年4月5日 最終更新:2003年8月24日
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