早指し将棋選手権戦終了


 NHK のテレビ棋戦と並んで、アマチュアファンに親しまれてきた早指し将棋選手権戦(早指し戦)が、今期一杯を持って終了することが決まりました。昭和47年(1972)から年二回開催を含めて31年、36期の歴史を持ちます。 NHK の放送時刻に比べて早指し戦のそれは、日曜日早朝5:15から6:00という視聴者の生活リズムを無視し、「すわ、老人向けなのか?」と思わせるものですが、ビデオデッキが普及している昨今ですので、多くの人はビデオに録画して楽しんでいたことだと思います。少し手間は掛かるものの、低コストでプロ将棋を解説付きで楽しめたというのは、将棋普及に貢献もしたでしょうし、ファンにとっては嬉しいサービスだったといえるでしょう。

 早指し将棋は20秒未満で着手を必要とする瞬発力重視な棋戦で、一局を乗り切るとなると相当の集中力とその持続力が物をいい、若手に有利な棋戦と考え勝ちです。しかし、歴代の優勝者を見ると、思った以上に中年棋士の活躍が目立ちますね。もしかすると、開始当初は低段者(若手)が参加できなかったりしたのかもしれませんね(情報求ム)。それと1982年から早指し新鋭戦が創設されているというのもその一因だったりするのかも。それでも1990年の加藤一二三(当時50歳)、1998年の土佐浩司(当時44歳)の優勝はお見事。両者とも早見えの天才型棋士っていうところが共通点ですね。

 さて。経営不振でもお仲間の囲碁のほうでは、早指し戦の存続が決まったそうです。日本棋院の工藤理事が駆けずり回って実現したといいます。昨今ではどこの企業も不況に苦しんでいて、お金を出さないでしょうに、それでも引き出させたというのは大手柄だと言えるでしょう。素晴らしい。(ソース:米長邦雄ホームページバックナンバー)それに引き替え我らが将棋連盟理事は一体何をしているんでしょう? 水面下で活動でもしていたんでしょうか。仮にそうだとするならば、米長永世棋聖もわざわざ HP で囲碁のことを持ち上げることはなかったはずで、持ち上げたということは連盟理事の営業活動に不満がある、ということね。ま、実際にそのあたりの状況がまったくわからんので(連盟は秘密主義だからね)、結果のみでしか彼らの判断はできないんだけどさ。で、結局、

早指し囲碁 → 存続 → 理事会エライ

早指し将棋 → 打切 → 理事会無能

 ということにしかならんわけだな。

 またひとつ、将棋連盟解散への針が進んだ模様。


最終決勝が3月23日、翌週には「テレビ棋戦の思い出」と題して二上、中原、米長三名の鼎談が特番として放送予定だそうです。よろしければ、ご覧あれ。


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初版公開:2003年2月22日 最終更新:2003年3月1日
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