腰巾着

九谷オ一

 いつものやうにインターネットに接続して,将棋関連の HP をだらだらみてゐたわけなんですよ。すると,なにやらフリークラス制度について説明してゐるペエジに行き着いたわけです。これがまたほんとかよつて感じの内容なんです。ちよつと引いてみませうか。

フリークラス制度創設の主旨は、このように連盟の公務や国内外での普及活動などに専念する棋士に対して、引退の形をとらないまま、活動への時間的制約を軽減してあげようというもの

 このように,とありますのはまあ,先ほどのリンク先をたどつて読んでいただければよいのですけれども,飯田五段の留学を指すのです。「してあげよう」という思い上がつた表現はこのさいうつちやつておくとしても,このフリークラスの主旨なるものがきちんと機能しているか,という疑惑が浮かんでくるわけです。現在フリークラスに名前を連ねている棋士達というのは,一体この主旨にあつているのでせうか。実際には,順位戦で生き残れなくなった人間の居場所を制度化しただけではないでせうか。未も蓋もないいひ方をすると,フリークラス制度は,おほかた三流棋士救済システムとして機能しているぢゃないか,といふことなんですね,飯田五段にかこつけて。

 また,さきほどの引用の前には,

また数年前には大豪・二上九段が早すぎる引退をしてファンを寂しがらせました。おそらく多忙を極める将棋連盟会長職と、対局との板挟みで決断したものと推察されますが、

 とありますが,早く引退したのはただ単に棋士として指す棋力を失つたから,と考えるほうが妥当でせう。木村14世,大山15世名人が会長のときを考えれば両立だつてけつしてできない相談ではありませんし,指したければ会長を辞めればよかつたはずです。周りもそのやうに助言をしてあげればよろしい。ですからこの文章は連盟,現会長へのおべつかと指摘されてもおかしくない類の戯言ですね。奇麗事ばかりを並べるよくある手口といえませう。というわけで狭いムラ社会での振る舞い方がよくでてゐる文章でした。いやあ,参考になりますね。


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初版公開:2001年12月29日 最終更新日:2002年1月5日
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