増員と順位戦

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 どんなにもがいても、現状は新聞社からお金を貰って運営しているわけですよね、将棋界って。違いましたっけ。出版事業で稼いでいる金額はどんなものなんでしょう。運営や金銭の一般常識について、ぜーんぜん知識がないので、まあ、思ったことを書いているんですけど、毎年奨励会から四段になる人間が四名いるわけです。つまり毎年四人分の給料を工面しなきゃ成らない。1ヶ月手取りで20万だとして、春夏ボーナスは3ヶ月分貰えるとすると、20×12+20×3×2=360万。これが4人で1440万。毎年これだけ財源から削られていくわけです(あくまで推定)。すると、将棋界(日本将棋連盟)は少なくともそれ以上の収益がないと破産しちゃいますよね。うーん、新聞社から毎年、「契約金上げてくれ〜」ってお願いしているんでしょうか。それとも期待のNSNで一山当てようとでもしているのか。そんなことは知るか、と現実から目を背けているんだろうか。

 収入が増えないのであれば支出を減らすしかないわけで、だとすると順位戦で負け越し者は順位戦から参加できない=給料貰えないという図式が至極まっとうだったような気がしますが、フリークラスとかいう、既得権者救済制度のおかげで確か、給料貰えるようになったんですよね。つまり支出は減らないというわけですな。

 収入増えず、支出も減らず、ただ新人が増えて行く。順位戦における淘汰機能は失われてしまったんですね。あんまりお金のことをごちゃごちゃ書くのもどうかと思いましたが、やはり考えておかないといけないテーマだと思いますよ。「棋士は一人一人が一国一城の主。故に棋士一人一人にも意見がある。だからまとまらない」とか、寝言を言うのもいい加減にしたらどうでしょう。そんなチンケな意見の裏では、有力者にお願いして工面して貰ったり、経済人と交渉した棋士がいたことを忘れないで(知らないとはいわせないぞ)欲しい。

 来期はフリークラスから見事順位戦参加の権利を取得した伊奈祐介四段がいるので5名ですか。この快挙を機に、少し考えてみてはいかがでしょうか。

 ※昔購入して、無くしてしまった島朗「将棋界が分かる本 棋界のしくみ・不思議が分かるガイドブック」(たちばな出版)に将棋界の仕組みが載っていたような気がしたんだけど、確認できません(泣)。


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初版公開:2001年05月12日 最終更新日:2001年05月19日
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